第213夜 「スーパーマリオワールド「観念論とコスモスの照合」」
 ゲーム「スーパーマリオワールド」を、若い俳優がやっているテレビ番組を見ている。
 ステージは「観念論とコスモスの照合コース」。
 裏面的な要素の強いスターワールドにある、8面か10面のお楽しみステージの一つ。難易度はめちゃくちゃに高くて、自分が小学生のときはこのステージから先へはついに進めなかったのだ。攻略本によれば、「マリオ・スタッフもびっくりコース」というのもあって、しかしそれがどういうステージなのか、攻略本のくせに何の情報も載っていなかった。
 もしかしたら、この番組で見られるかもしれない。

 「観念論とコスモスの照合コース」の最初は、ステージに配置された無数の音符ブロック(「♪」マークのやたらと弾性のあるブロック)をうまく使わなければならない。それらに弾かれながら、地面のない=弾かれそこなって落ちたら終わりのステージをどんどん右に進んでいく。
 若い俳優はそうとうマリオをやりこんでいるらしい。
 空中に浮かんでいる音符ブロックから「ぱよん ぱよん ぱ ぱよん」と軽快な音を立てて、マリオは移動していく。迫ってくるノコノコや、致死性の棘を、かわす。一定の間隔で行ったり来たりするリフトに、しがみつく。危ういところで。
 その曲芸にスタジオのギャラリーが「おおおお」とどよめいたり、司会者がどうでもいいコメントを発したりするのはほんとうにどうでもいい。
【後日、その番組を見ていた秋山瑞人のエッセイを、この瞬間に読む】
「ああいう(スタジオのような)空間で有象無象にちゃかされながら一人だけコントローラーを握ってゲームに興じているのはたぶんとても孤独なことで、ふつうなら適当なところで死んじゃって、照れ笑いを浮かべながら自分の席に戻るだろう。おそらくそっちの方が空気を読んでいるのだ。断然。テレビ局も、画を編集する手間がはぶける。けれど、そういう打算や諸事情を忘れてマリオをやっていた○○(俳優の名前)はできた男である。」

 途中から、マリオは洞窟内に入る。
 洞窟に入った瞬間に、マリオのテクスチャがささくれて、壊れて、黄金色の回転体になる。
 おお、マリオの中身!
 やはりスターワールドに行っただけある。真理に近づきつつある。
 黄金色の回転体は金属がこすれるような音を立てながら、せまってくる巨大な円盤ノコギリをかわして進む。円盤ノコギリはマリオ=黄金色の回転体を切り裂くのではなく、むしろそれをかき消すか、それか円盤のうちに取りこもうとしているのだ。マリオと円盤ノコギリは同じものでできている。そうか、だからマリオ=黄金色の回転体の回転音は金属……、しかしそれでは、この洞窟とトラップから、マリオは生まれたのだろうか? それとも、ある同じものがマリオと洞窟に分化したのだろうか? とか思いつつ、さらにゲームをつづける。
 ――この時点で、マリオをやっているのはスタジオの俳優ではなく、自分自身。

 ついに、洞窟もクリアして、巨大な球状の空間に出てくる。
 黄金色の回転体から、テクスチャはマリオのそれに戻っている。
 いよいよボス戦か。
 と進んでいくと、安っぽくピンク色に光り輝く「?」「!」が浮かんでいる。
 その隣には、「?」「!」をはめこんでください、といわんばかりの空漠がある。
 おそらくこの二つのポリゴンを適切な位置にはめこめばステージ・クリア(「コスモスの照合」の完成?)なのだろう。
 まったく納得がいかない。
 こんなとってつけたような完結は願い下げだ。
 コスモスは照合せず、マリオは制限時間いっぱいまでさまよい続けるのが訓というものだ。
 しかしこれはゲームだし、と思い、いそいそと「?」「!」を適切な位置にはめこむ。

 ステージ「観念論とコスモスの照合」はクリアできたが、夢からは醒めてしまった。
by warabannshi | 2008-11-22 08:27 | 夢日記 | Comments(0)
<< 『ニットキャップマン』 (無題) >>



夢日記、読書メモ、レジュメなどの保管場所。
by warabannshi
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
twitter
カテゴリ
全体
翻訳(英→日)
論文・レジュメ
塩谷賢発言集
夢日記
メモ
その他
検索
以前の記事
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 01月
2016年 11月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 03月
2007年 01月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2004年 11月
2004年 08月
2001年 12月
記事ランキング