第225夜 「誰が友人Kを殺したか?」
 大晦日と正月の前に殺されてしまった、小学校のときの友人K(既婚・父親)の死体が、スポーツバックに入った状態で部屋にある。
 誰が友人K(既婚・父親)を殺したのか?
 自分が撲殺したような気もするけれど、それは『罪と罰』を読んでいたせいで記憶がラスコーリニコフと混ざったせいかもしれない。わからない。殺したのは自分ではない、とは言い切れない。
 友人K(既婚・父親)が小学生のときとほとんどおなじ背格好なので、というよりも小学生のままなので、スポーツバックのなかに気をつけの姿勢で死後硬直したまま入っていても、まったく問題ない。黒い化学繊維で編まれたスポーツバッグは、自分の家族旅行などでよく使われていた馴染み深いもの。まさか、そのバッグのなかに死体が入ることになるとは(スポーツバッグがボディバッグになるとは)思わなかった。
 問題は、友人K(既婚・父親)の死体を、どうやって消し去ってしまうか。
 番組「世界まる見え!」とかでやっている法医学のドキュメンタリーを思い出すかぎり、死体はたくさんの証拠物件を、まったく思いもよらないかたちで持っているものだから。
 だから、【行方不明】にするのがいちばん良い。
 そのための方法を考える。

 ただ方法を考えているだけでは良いアイディアが浮かばないので、名前の知らない友人の部屋に行き、二人で「マリオカート」をやりながら考えることにする。
 ①、超高温で灰になるまで燃やし続ける。
 どこで燃やし続けるかが問題。河原でドラム缶を置いて燃やしたりしたら、あっという間に見つかるだろう。
 ②、さいの目に寸断して撒く。
 寸断にものすごい労力と、時間が必要。そういう事件はよくワイドショーでやっているが、たいていは四等分くらいにして力尽きてしまう。そして死体損傷にとどまってしまう。もっと“チーズを作るための編目レーザー”のようなものがなければだめだ。それに、小腸・大腸を寸断するときには、それなりの悪臭が外に漏れないようにしなければならない。人体は化学変化の場所だから。アンモニア臭はきり離せない。

 高級なホテルが立ちならぶ山奥の温泉街で、なぜか歌舞伎をやっている名前も顔もしらない親族たちと会食をすることになっている。
 メニューはすき焼き。肉が、ものすごく良いものであることが、味でわかるくらいに高級。
 すき焼きを食べながら、ふと思いつく。
 ③、風呂桶でひたすら煮立てて、溶かしてしまう。そして流す。
 時間がかかる。けれど、アンモニア臭は水にとけてしまうし、定期的に、煮るのに使う水を流せば外に漏れることはない。血痕すらも残らないだろう。風呂桶が多少、高温のためにいたむかも知れないけれど、肉と骨とビーカーを使って実験してみれば良い。人間の死体を煮立てて、溶かしきるどれくらい時間がかかるかも、概算することができるだろう。
 エウレカ! エウレカ!
 歌舞伎をやっている親族たちに、先に席を立つ不躾を侘びる。
 友人K(既婚・父親)の死体の入ったスポーツバッグを肩にかけ、親族たちと会食をしていたホテルをあとにして、アスファルトで舗装された山道を駆け上る。
 ……ということは、自室から、すき焼きの会場まで、死体の入ったスポーツバッグを持ってきたということか、自分は?
 アスファルトで舗装された山道はかなり急斜面で、スポーツバッグがだんだんずり落ちてくる。
 ちょっとふり返ると、スポーツバッグのファスナーが半開きになっていて、半透明のゴミ袋で包まれた、友人K(既婚・父親)の両足のふくらはぎから下の部分が、あからさまになっている。ゴミ袋の内側には、すでに茶色い排泄物らしいものがこびりついている。
by warabannshi | 2009-01-10 09:04 | 夢日記 | Comments(0)
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