第227夜 「戦時中、緑化公園での、オムニバス」
 海沿いの広大な緑化公園。緑化公園を俯瞰すると、大きな十字型になっていて、十字型の棒の部分は、幅が二十メートルほどもある、右側通行の散歩道になっている。十字型の、交叉する部分は円形の広場になっていて、アスレチックの遊具がおいてある。整備が行き届いていて、活気もある。
 緑化公園のそばには海軍基地があり、軍港としての活気もある。軍に関連する工科大学も併設されているので、街にも、緑化公園にも、学生は多い。
 じっさいの真珠湾も、映画の『パールハーバー』も観ていないけれど、1941年12月8日以前の真珠湾は、だいたいこんな風景だったのではないだろうか、と思う。
 その緑化公園での、オムニバス。

【“秘密基地”を教えたくない兄、そして弟】
 人体錬成以前のエルリック兄弟@『鋼の錬金術師』みたいな、十歳ぐらいの兄弟。
 プログラミングに才能を持つ兄は、工科大学の学生たちと組んで、インターネット上に“秘密基地”を作っている。弟は“秘密基地”の存在に気がついているけれど、IDとパスワードがないために、兄たちの“秘密基地”に入ることができない。
 弟は兄にせがんで、IDとパスワードを教えて貰おうとするが、兄は聞き入れない。
「じゃあ、お前がこのUSBを見つけることができたら、そのなかに入ってるIDとパスワードを使っていいよ。ただし、おれが先にUSBを見つけたら、お前の負けね」
 兄はそう言うと、USBを、二つに割った練り歯磨き粉のチューブのなかに入れる。
 そして、それを家の屋上(三階建ての、さらに屋上?)から、緑化公園めがけて、投げる!
 弟は緑化公園めざして走り出す。
 けれど、兄の手の中には、さっきのUSB入り練り歯磨き粉のチューブ。
 さっき放り投げたのは、ふつうの練り歯磨き粉のチューブだ。
(どこでこれを先に見つけた、と言い張ろうか……)
 兄は、USB入り練り歯磨き粉のチューブを片手に緑化公園をうろうろする。
 途中で、工科大学の学生が、街路の脇にある、非常用の消火器が入っているボックスのなかからどこかのカギを取り出すのを見て、「これだ!」と思う。けれど、まさか消火器のボックスを歯磨き粉のチューブが貫通した、と言うことはできない。


【梅の木に登ると、死者と交信ができるという噂】
 緑化公園のはずれに生えている梅の木に登ると、死者と更新ができるという噂があるので、面白半分に工科大学の男子学生が登ってみる。
 ほとんど梅の木の梢あたりで、その梢に片耳をくっつけてみる。
 すると、重度の痴呆症の祖父の声が、明確に頭のなかに聞こえてくる。
(痴呆症になった祖父は、生物学的には生きているけれど、死者としてあつかわれているのか?)
 驚きながら、それを疑問視する男子学生。
 

【大尉と、四十年ぶりの仲間たち】
 口髭の大尉。だいたい四十歳半ばくらい。
 白っぽい軍服は、大尉だから着ているのか、所属している部署の全員が白っぽい軍服なのか、わからない。
 ずいぶんと犬歯が長いので、口を開けて笑うとドラキュラのように見える。彼はドラキュラほど、ゴシックホラーな性格ではないので、親類の子供たちにせがまれるとドラキュラの真似をてしておどけてみせる。
 いまは一週間の停泊中なので、バナナを食べながら、緑化公園を散歩している。
 緑化公園の交叉している部分の広場には、工科大学の男子学生たちが十数人、ヘッドホンをつけたまま、棒立ちになってぼんやりとしている。アスレチック遊具から飛び降りたり、ボール投げをしたりしてはしゃぎまわっている幼児たち、子ども達のなかで、立ち尽くしている彼らの姿は異様。
(そういうパフォーマンスをやっているのか?)といぶかしむ大尉。
 またバナナを食べながら散歩のつづきをしていると、妙に後ろに気配を感じる。
 無視しようとしていたが、どんどん気配が背中に近づいてくるので、思わずふり向く。
「***{名前失念}!」
 とても懐かしい顔。大尉が小学校のときの同級生がそこにいる。軍服姿で。
「***も軍属だったのか!」
「+++も、ルサンチマンも、軍属なんだよ。ほら、前にいるじゃん」
 大尉がさらにふり返ると、やはり小学校のときの同級生の+++とルサンチマンがいる。やはり、軍服姿で。
「ひさしぶりだな。四十年ぶりぐらい?」
「いや、そんなには経っていないだろう。そのバナナ、どうしたの?」
「まさか配給の交換で?」
「いや、ちょっとね。錬金術で」
「さすが、○○○{大尉の名前}。女にはモテたからな」
「ところで、ごめん、名前を聞いてもいい? 思い出せないんだ」
 +++とルサンチマンの他にいる、小太りの軍服の男は、大尉からそう言われると恐縮そうに、
「いえ、たぶん私は同級生ではないと思います……。+++さんとルサンチマンさんとお会いしたのが……」
「さん付けはやめてれませんか。ルサンチマンで結構」
 ルサンチマンが苛立ったように、小太りの男の発言をさえぎる。
「すいません。不動産業をやっていたころの癖で……」
 小太りの男は必要以上に恐縮する。ルサンチマンが苛立つのも無理はない、と思う大尉。
「さん、を付けるとそういう山みたいになっちゃうからな。ルサンチマン山。ルサンチマン山のほがらかな朝焼け。ルサンチマン山のカッコーの呼び声」
 大尉は、集団の雰囲気が悪くなりそうなとき、いつもこうやっておどけてみせる。
by warabannshi | 2009-01-15 11:06 | 夢日記 | Comments(0)
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