【購入物+感想】第11回文学フリマを終えて。
 12月5日(日)に行われた第11回文学フリマで、下記を購入。
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B-19:トラウマ児童文学レビュー「トラウマ児童文学レビュー集 懐かしい傷」[読了]
K-9:佐藤「文学フリマ殺人事件」
N-4:around STONE「around STONE vol.0」
O-7:ナタリー「一九九八年のキャッチボール」
O-7:ナタリー「ボオドレエルの一行未満。」[読了]
O-7:ナタリー「一羽の鳥が飛行機から飛び降りる」[読了]
R-10:西瓜鯨油社「物語群」
R-10:1103号室「少女23区」
S-07:青年文化ゼミ有志「文化と表現vol.1」[読了]
S-07:青年文化ゼミ有志「文化と表現vol.4」
S-07:青年文化ゼミ有志「文化と表現vol.5」
S-07:青年文化ゼミ有志「文化と表現vol.7」[読了]
ア-1:project .review「.review 002」
ア-7:早稲田大学現代文学会「LIBRERIA 2010」
ア-20:書肆べう「ながしろばんり創作噺」(CD)
ア-20:書肆べう「彼の岸 vol.7」
エ-19:双葉文学カフェ「FLOWORDS Vol. 1」
エ-1:アニメルカ製作委員会「アニメルカ vol.3」
どこだか忘れてすみません:木葉揺「ぽえむっしゅう」

 ほかの参加者の方々がどのようなものを購入されたかについては、「第十一回文学フリマ」感想集 http://d.hatena.ne.jp/jugoya/20101205 を読むことができます。

 とりあえず、読んだものの感想。
・B-19:トラウマ児童文学レビュー「トラウマ児童文学レビュー集 懐かしい傷」
 twitterで見つけてから買おうと思っていた電書。十代までにどれほど那須正幹とやなせたかしと三田村信行から教育を受けてきたかを思い出した。つまり、「世の中には往ったきり還ってこないこともある」ということを私は彼らから学んだ。
 「非トラウマ児童文学」――例えば『母を訪ねて三千里』では、主人公マルコは行方の知れない失われた母親を世界の果てまで探しにいく。そして、苦難の末に再会をはたし、物語は終幕をむかえる。また『ニルスの不思議な旅』では、悪童ニルス・ホルゲションはガンの一行とともに世界を見聞して自らの傲岸や無知を恥じ、周期的な渡り鳥の移動にしたがって無事、彼自身の日常に帰る。
 しかし、「世の中には往ったきり還ってこないこともある」。
 母親を殺された復讐のために、母親を殺した狼に弟子入りし、その狼を殺したあとで「狼でも羊でもない、得体の知れないぞっとする生き物」として咆哮する羊の『チリンの鈴』(やなせたかし)。ある日、歩道の敷石のくぼみをきっかけに気紛れにいつもと違う道を歩いて帰宅すると、家には〈クラゲのようなぐにゃっとするもの〉が二体いる『どこにもゆけない道』(三田村信行)。
 「世の中には往ったきり還ってこないこともある」。
 慎ましさと節度を妥協と小心さ以外の理由からはじめさせるのは、いつもこの教えだ。

・O-7:ナタリー「ボオドレエルの一行未満。」
・O-7:ナタリー「一羽の鳥が飛行機から飛び降りる」
 芥川龍之介は致死量の睡眠薬を飲んで自殺した。芥川龍之介は短編小説しか書かなかった。芥川龍之介は鈴木三重吉が創刊した『赤い鳥』にも童話を寄せている。内田百閒の「山高帽子」に出てくる顔の長い先生は芥川龍之介がモデルだろう。百閒曰く、「芥川は、こちらから何を話しても、聞いてはいるらしいが、向うの云う事はべろべろで、舌が動かないのか、縺れているのか、云う事が中中解らない。どうしたのだと尋ねると、昨夜薬をのみ過ぎたのだと云う。そんな事をしてはいけないだろうと云えば、それは勿論いけないけれど、そんな事を云うなら、君だってお酒を飲んで酔っ払うだろう、などと云って、そう云ったかと思うと、人の前で首を垂れて、眠ってしまった」(「亀鳴くや」)。
 まだ一冊未読だけれど、ウワノソラー(上の空でいることが多い人)としての芥川龍之介を意識するきっかけとなった。今回の文学フリマでは「上の空割引」をやったおおかげでブースを訪れてくれた方々からたくさん上の空話、白昼夢を聴くことができたが、それにもまして、日本文学におけるウワノソラーの系譜をたどってみたくもなった。

・S-07:青年文化ゼミ有志「文化と表現vol.1」
・S-07:青年文化ゼミ有志「文化と表現vol.7」
 高校の友人・四竈と八年ぶりに邂逅した。私たちは雑種だった。いろいろなものを混ぜる実験場として自身を使っていた。何かを生み出すために混ぜているわけではなかった。AとBを混ぜたらCが生まれる。欲しいのは「C」ではなく「混ぜたら」であり、前者を優先したときに造られるのは、それは品種であって雑種ではない。雑種の本懐は力強さであり、成績は悪かった。八年後、彼は、有斐閣で仕事をしながら映画批評を書く男になっていた。彼の力強さが衰えていないことに安堵した。「vol.1」の随筆で出てくるクサオが誰だったか思い出せそうで思い出せない。
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 なにはともあれ、無事に終わってよかった。
 今回の文フリでは四竈にも会えたし、around STONEの後藤さんにも会えた。
 後藤さんと出会ったのは三年ぶりで、これが二回目。最初に会ったのは私(と後藤さん)が塩谷さんを初めて知ったときなのでよく憶えている。2007年5月28日、塩谷賢さんが芸大で講義「誰が見たり聞いたりするのか?」を終えたあと、上野の焼き鳥屋での二次会には、すっかり塩谷さんの学識の驚異にあてられた六人が集結していたが、なぜか一人も芸大生がいなくて(つまり全員もぐりの学生で)、そのなかでも後藤さんは「俺は頭が良いから大学なんて行かなくても良いと思っていたんですよ…」とその恵まれた体格とともに異彩を放っていた。
 あと、牟礼鯨さんの大学時代の友人という「青森県に住むクセルクセス氏」が非実在青年であることを知り、ブースを訪なうであろう彼から早稲田時代の鯨さんのことを訊こうとしていた私は残念だった。
by warabannshi | 2010-12-09 14:23 | メモ | Comments(2)
Commented by 後藤ゆたか at 2010-12-09 16:43 x
お疲れ様でした
なんという事を記憶されて・・・
たしかに高校の時、そう思っていたバカだったのでした(笑
そして最近はそんな不勉強をひたすらにdisられているのでしたww

後藤のあの時の太田さんの感想は
あの塩谷さんとまともに知的論議を繰り広げていて
相当に出来る人だな(話の内容は良く解らんけど)といったところでした

またどこかで会いましょう
後藤
Commented by warabannshi at 2010-12-10 06:27
文フリ、おつかれさまでした。
あの日は後藤さんのブースが右斜め前でびっくりしました。そして自分を識別なさった後藤さんにさらに驚きました。

塩谷さんの法政大における講義録アップは年始再開の予定です。
お暇があれば、あの上野の日の続きをお楽しみください。

また文フリで(?)お会いしましょう。
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