第453夜「敵意」
 とうとう大学を首になり、前々から患っていた夜盲症も、段段悪くなるようなので、なんとなく気分が鬱陶しい。ぼんやりと部屋でふくれていると、私の知らない間に、私に対する非常な敵意を磨いていた友人Dが尋ねてくる。
「わたしは毎日、ここに来て時間をつぶすことに決めたよ」
「いいけど」
「まず誰も知っている人が誰も来ない。仮に来たとしても、すぐに帰ってしまうから」
「そうだね」
 私はベッドに上体を起こした姿勢で大学への陳情のメールを打ちつづける。生返事をくりかえし、わびしい雰囲気によって彼女を追い出そうとする作戦である。コーヒーも淹れない。Dは造りつけの本棚の背表紙を物色しはじめる。こういうときに限って、本棚にはくだらない本ばかりが並んでいる。望まれない客においても、部屋のなかはきちんとしておきたい。だが、よく考えると、ここはそもそもDの部屋であり、本当に出て行くべき客は、私である。
by warabannshi | 2011-01-31 06:53 | 夢日記 | Comments(0)
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