ある植物にインドール酢酸を散布すると、でたらめに繁茂したあげく、ヒトの舌や蝶の翅が生えて枯死するという。
「人前でいちいち能力をひけらかして見せなければ気がすまないとすれば、下品とか見苦しいとかいう話ではなく、一つの悲劇だ」
名前の知らない先輩は教訓を垂れる。
インドール酢酸の話が寓話にすぎないかどうか検証するために、明朝、実験してみようということになる
夜道を急ぎ足で帰ると、無許可の古紙回収業者が、人の家の軒先から新聞紙を盗んでいる。私はすばやくその業者のトラックのナンバープレートを読み取る(「播磨 8687-05 接着」)。しかし、先方も私に気付いたらしく、徐行運転で、私の後を尾行する。彼らには私の家の在り処を知られてしまったが、それは何のプレッシャーにもならない。通報するつもりである。