第532夜「汚れ」
 ひどく汚れた雑居ビルのベランダにいる。鳩が舞い降りてくるのをふせぐための金網にはべっとりと埃がからみついており、胸が悪くなるそれをとおして、灰色の曇天が広がっている。喫煙しに、ここにきたのだが、もはや煙草をくわえる気にもなれない。手すりには、一組の布団が干されている。垢じみていて、硬そうで、どんな大病を患っても、あれで眠りたくはないものだと思う。
 ハンス・ノイエンフェルス演出の『ローエングリン』で出てくるような気色の悪い鼠の着ぐるみの一団が、せかせかと雑居ビルのなかに入っていく。産業系英語の試験があるのだ。私もその試験を受けなければならない。だが、こんな汚穢に満ちた空間でなされる試験に、どれほどの意味があるだろうか。ない。
 私は鼠の着ぐるみの一群の進む方向に逆らって進む。そして、息を止めて、干されている布団を抱きかかえる。
 私はこれを抱え、神学校の修道士のように粛々と、試験会場に入っていくつもりである。
by warabannshi | 2011-12-06 05:22 | 夢日記 | Comments(0)
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