車両のつり革にことごとく、羽を毟られたさまざまな種類の若鳥がぶら下がっている。間違えて、肉列車に乗ってしまったのだ。肉馬車に乗せないようにだけ気をつけていれば良いと思っていたのが、この油断のもとである。つり革を握ることができないので、どこかに手をつこうとするが、そのたびに細かい襞がそろって私を威嚇する。吊された死骸が左右に揺れる。鳥たちの頸椎と背骨の継ぎ目のところに、コインのように人の肖像が浮かぶ。殞命に驚いて目と口を開いた禿頭の王である。彼の写真を見たことがあるような気もするが、名前は知らない。