路地の物理法則を安定させるために、ボタフメイロ(大香炉)が準備される。路地のそれぞれの道に、養老天命反転地のような名前がついているために、香気によって法則性を共役する必要があるのだ。細い道の上に煙がただよう。揺り椅子にすわってそれを呼吸するのが何よりの楽しみである。大香炉は、御輿にのせられて、この路地を巡回する。まだ御輿は見えない。
「あなたとは別の論理に対してしなければならないことは、あなたと彼のあいだの論理の不調和をあらわにすることだ。それは愚者を教化することとは異なる。(論理の不調和をあらわにした方も、された方も、どちらかが正しいということはない)」
名前の知らない老人が言う。
「すべてのものにとっての真理が各々の厳密さにどれほど依拠しているかを明らかにするためには、それぞれの論理の最小限の不調和をあらわにするだけでよい」
大香炉は、御輿にのせられて、この路地を巡回する。まだ御輿は見えない。