第645夜「世間知らず」
 淡黄発火現象と呼ばれる、世間知らずな発言や振る舞いが自然発火する現象が頻発している。淡い黄色の炎に包まれるのは一瞬であり、大事には至っていないが、それは人々の傾向を二分することになった。つまり、発火を怖れるあまり、洗練さのなかに萎縮する人々と、前歯に焼け焦げができようが眉毛がちりちりになろうが構わず勝手を通す人々との二つである。例えば、かまととぶったある種の芸はまったく面白くなくなり、テントを張るときにロープにできる結び目を見て応用数学の発見をした数学者は、空も飛べそうなほど日頃から発火をくり返している。「自然」「天然」の語に、紊乱という含意が込められ、そして、何か話し終わるたびに気ぜわしい句読点のように笑う癖をもつ人は、自分の発言をいつでも撤回できるように砂を撒いているか、あるいは自分の発言が本当に可笑しくて堪らないかのどちらかである、などの知見が広まることとなった。
by warabannshi | 2014-01-06 09:16 | 夢日記 | Comments(0)
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