筆で簡単に描かれたこまっしゃくれた児童2人が手をつないで歩いていると、自分たちと同じくらいの大きさの白い円盤状の何かが先を歩いているのを見つける。「月の明るい部分のようだね」。そして先を歩く白い円盤の方も、うすうす感じている。「何かの原因が近づいてくる」。
2人の児童は、白い円盤の一部と思しき欠片をそれぞれの手にもって、それを頬張っている。「案外固いね」、「煎餅みたいだ」。そして白い円盤のほうも、アンパンマンのように、欠けた図体のまま、変わらない表情で歩いている。
そんな4コマ漫画として、見ていた夢をしたためていると、後ろから名前の知らない誰かが私に声をかける。
「そういうのって、太田さんのなかで何に位置づくんです?」
私は答える。「記録です、アウトリーチが違う類の」
そして、ケント紙に染みこませた薄墨が乾くのを待つ。