第11夜 「結局、こうなる運命だったんだよ」
 自分が操縦しているこの軍用輸送機が、ゆっくりと死地におもむいているのは、なんとなくわかっている。
 イヤでも先へ進まなくてはならないことも、帰りのぶんの燃料がないことも、わかっている。
 この軍用輸送機の中にいる十数人は、黙ったままだ。
 でも、なにをするために死地におもむいているかは、わからない。
 たぶん、コクピットの隣に坐っている戦友? も、後ろに坐っている十人ぐらいの落下傘部隊の兵士たちも、これから何をするか、わかっていない。
 おまけに、その死地とは戦場ではなくて、南極のことなのだ。
 南極で、いま、何が起こっているのだろう?
 というか、なぜ南極?



 そう思っていたら、「いいからオマエは逃げろ!」みたいなことをとなりで操縦桿を握っていた戦友? に突然言われ、次の瞬間、二人乗りのコックピットの座席から、機体の後ろの方に、強引に押し出された。
 機体の後ろで待っていた落下傘部隊の兵士たちが、すばやくコックピットから追い出されたうちを抱きかかえ、パラシュートを装着させて、あっという間に輸送機の横腹から、うちを放り出す。

 嬉しいけれど、釈然としない。
 操縦士が二人いないと、輸送機は南極まで着かないんじゃないか?
 それとも、うちは最初から操縦なんかしていなかったのか? コックピットにいただけ?
 そう思っていたら、パラシュートが開いた。
 どうみても、着陸するには高すぎる高度。
 なすすべもなく、ずんずん風に流される。

 切り立った崖の岩肌にたたきつけられて、パラシュートがしぼみ、ようやく地面に到着したが、あいにくネコになってしまっているうちにはパラシュートの外し方がわからない。
「はやくしろ、オカピが来るだろ!」
 なんか他のネコが叫んでいる。
 オカピが来るとまずいの?
 オカピって、鹿にそっくりな草食動物ではなかったっけ?
 よくわからないまま、パラシュートを引きずり、他のネコのところに駆け寄る。
「あいつら、ワナを張ってやがるから、気をつけろ」
 ありがちな警句とともに、ネコが先頭を走り出す。
 とにかく、オカピから逃げるために、彼の後ろについていくと、森の中では、たくさんの一斗缶が逆さまになって、地面に半分埋もれている。一斗缶と一斗缶のあいだには、細い釣り糸が何本もはりめぐらされている。
 これはオカピの仕掛けたワナだ。
 間違いない。
 そう確信したとたん、前を走っていたネコが、一斗缶の一つをひっくりかえした。
 おいおい。
 一斗缶の中からは、信じられないことにトラが出てきた。
 同じネコ科なら、話せばわかってくれるかもしれない。
 そう思ったら、すでに人間に戻っていた。
by warabannshi | 2006-05-11 09:12 | 夢日記 | Comments(0)
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