第36夜 「夢演劇、他」
(*1)
 弟と並んで自宅の洗面台でうがいをしている。うちが吐きだした水のなかにモズクのような焦茶色の物体がでろでろと混ざっている。
「昨日、オレオを食べたあとで、歯を磨かなかったでしょ」
「口内炎なんだよ」
 何回もうがいをするが、モズクみたいなオレオの滓はいくらでも出てくる。
 どうやらオレオの滓ではなく、はがれた胃壁らしいことに気がつく。

(*2)
 複雑な路地のある民家群(昭和二〇年代)の隙間を、自転車部の先輩(名前は忘れた。犬の鳴き真似が得意)と歩いている。うちはどうでもいい蘊蓄を披露していて、先輩はそれにまったく興味がない。
「『あるときはフリードリヒがいた』って本、あったじゃないですか。書いた人、誰でしたっけ?」
「ジャン・ジャック・ルソー」
「いやいやいや」
 夏だから、ものすごい雑草で路地はほとんど埋まっていて、敷石がちょこちょこ見えるだけ。陽光もすさまじくて、ずっとフラッシュをたかれているみたいに白い。でも、セミは鳴いていない。二人で、雑草を掻き分けなければならない先頭を交代しながら、おばあちゃん(非血縁者)の家に向かう。
「スティーブン・キングはユダヤ人虐殺には反対だったんですよ。だから『スタンド・バイ・ミー』を書いたんですよ」
「ウェ ザ ナーイ♪ ハズ カム♪」
 おばあちゃん家だけコンクリート造りで、廃墟になっている。
 忽然とあるコンクリート造りの家は、児童公園の遊具のように見える。
 中に入ると、内部は和風の、ふつうの民家。
 おばあちゃんが出てきて、座布団をすすめ、うちら二人を緑茶と羊羹でもてなしてくれる。
 でも、もてなされる理由がわからない。
(もしかしたら、自転車好きの老人に自転車の話をしてあげるアルバイトかもしれない)
 そう思っていたら、侵入者。
 防犯カメラに映されたのは、ハリー・ポッターに出てくる巨人みたいな男。2メートルはある。
 先輩が装備を始めている。ゴーストバスターズ風の銀色の衣装が似合う。
 どうやら、巨人を倒すために呼ばれたらしい。
 あっという間に、巨人は居間に突入してくる。
 おばあちゃんは避難済みなので、先輩が光線銃でなぎ払う。 
 面白いように、効かない。
「やべっ、パック付けるの忘れてた!」
 巨人が、なぜか居間に立てかけてある金棒を手にとる。
 あまりにも鬼のようなので、こらえきれず爆笑してしまうと、巨人が卓袱台の上にあった箸を一膳、手にとり、吹き矢のように吹いた。箸はうちに刺さった。

(*3)
 電通大(?)ビルの六〇階くらいにある研究室で、四、五人で白衣で電子部品をハンダで補修する作業をしている。
「第二科は男女率が49:1だから、男子寮の歌しかないんだよ」
「へえ」
「あれ? 女子の歌もなかったっけ? ブラフ?」
 すると、スライド式のドアが開いて、ツインテールの女の子が、現在進行形の演劇に役者が一人足りないことを告げる。役者名は、“ふられる恋人(先生)”
 幸い、うちは演劇部経験があるので、台詞の少ない役なら、ということで出演する。
 ツインテールの女の子は、うちを袖にする恋人役らしい。
「ちゃんと、状況を読んでくださいね」
「アドリブは得意です」嘘だ。
 ビルには作りつけの舞台(宝塚、というよりボリショイ・サーカスみたいな)があるが、そこはスルーして、演習の教室に向かう。
 演習の教室ではゲネプロがやられている。
 そうだよな、いくらなんでも本番に練習していない人間は立たせられないよな。と納得する。
 黒い机の間を、社交ダンスの要領ですり抜けて、ツインテールの子と踊りながら、その勢いで舞台に参加する。
 踊りながら女の子を、生徒役の男子にパスすればいいのだ。簡単だ。
 台詞「彼女のことは、キミにまかせた」
 よく生徒役の男子の顔を見ると、中学時代のA。
 Aの顔立ちが、中一からまったく成長していないので笑える。

 じつは、演劇をやっているのは夢で、ほんとうは掃除用具入れを開けたら倒れてきたモップに頭を強打して昏倒していた、という設定。
by warabannshi | 2007-12-27 06:40 | 夢日記 | Comments(0)
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