第37夜 「窒息しそうに懐かしい」
 豊島園に自転車で向かっている。
 環七から練馬駅を通過するルートが最短のはずなのたけれど、住宅街を走っている。
 モデルハウス群なのか、住宅はどれもこれも造りたてで、壁面がつやつやしていたり、風は建材の化学物質の匂いがする。ロックマンDASHのフィールドがこんな街並みだった。蛍光カラーのアーチや屋根があり、児童公園の遊具か、三鷹天命反転住宅みたいな雰囲気。
 コンビニが一軒あるけれど、無人で、ツナマヨネーズのおにぎりしか売っていない。(レジカウンターのおでんが浸かっているコーナーに並んでいる)
 コンビニの裏は砂浜。そして海。誰もいない。
 うちは、うっすらとこれが夢であることがわかっている。
 着ているのはパジャマだし、誰もいないし。
 なぜ豊島園に行くのだろう?
 なにかを頼まれているのだろうか? それとも、待ち合わせ?
 とにかく、自転車で豊島園に向かう。道はわかっている。

 あと百メートルくらいで豊島園だ、と思ったとき、窒息しそうなほどに懐かしい光景を見る。
 L字型の路地で、うちはLの短い方の道からその路地に入ったのだけれど、Lの角には平屋の売店があって、駄菓子や浮き輪、ポカリスエットなどを売っている。何人か子ども連れがいて、豊島園のプールのあとなのか、髪が濡れてばさばさになっている小学生が走り回っている。なのに、水中であるかのように、子どもの声はほとんど聞こえない。
 自転車を止めて、売店に入ろうとする。L字の、長い方の道をずっといくと豊島園遊園地だ。三本か、四本、落葉広葉樹(クヌギ?)がたっていて、荒れたアスファルトの路面を根でさらにめこめこにさせている。そういう状態も懐かしい。息が苦しい。
 売店は、壁面が大きな冷蔵庫になっていて、飲み物が冷えている。ポカリスエットの値段を見たら120円で、消費税が五パーセントだから時代は少なくとも現代のようだと思う。過去の情景を思い出しているから、懐かしいわけではない。だとすれば、夢から覚めるまえにこの情景をノートに取らなければ、と思い、売り場のお兄ちゃんに「A5版ノートありますか?」ときくと、すぐ背後に文房具がある。ノートは“お試し用”のが無料でバラで置いてあるのでそれをもらい、いつものゲルインキペンを買って、さっそく売店の見取り図を書く。
 書く。書く。ひたすら書く。そろそろ覚める。
 パジャマ姿で売店のなかでメモをとりつづける成人男性は異様だけれど、夢だからいい。

 でも、もしかしたら、売店の売り場にいたお兄ちゃんは、今年の十月に亡くなった早川君だったかもしれない、という予感が、ほとんど覚めかけてからはじまって、あの売店に戻ってそれを確認しようとしたけれどすでに手遅れだった。

 さらに覚めかけた状態で、いったいあのL字路地の、なにに懐かしさを感じたのかわからないことに気がつく。



 ロックマンDASHの体験版はバイオサバードとセットだったはず。
 あれほど雰囲気が違いながらシステムは同じ、というカップリングは「となりのトトロ/火垂るの墓」以来だ。
by warabannshi | 2007-12-28 10:26 | 夢日記 | Comments(0)
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