(*1)
40リットル容量の半透明のゴミ袋にいっぱいのホットドック用のパン。
ソーセージが入るパンの切れ目の間に、体長数ミリの黒い甲虫がどれにもこれにもびっしりとはさんである。何万匹いるかわからない。あふれた甲虫はパンの外にうぞうぞと這い出てくる。甲虫の幼虫らしい黒いイモムシが、信じられないような速さで袋のなかへ逃げ込んでいく。(おまけに、イモムシは甲虫より大きく、二センチはある。)
そんな虫ドックを母と二人で食べている。味は単調。
(*2)
富士見ヶ丘駅を下りて坂を半周下ると、アルベロベッロのトゥルッリがある。
日本では四軒しかないトゥルッリには薬剤師の若夫婦が住んでいて、彼らが
フーディニの薬の作成者であることがわかる。