第91夜 「あらぬ盗みの疑いをかけられているときに、自転車が盗まれる」
(平沢進の「BIG BROTHER」が、絶えず流れている。)
 “ネオ新宿西口”の複雑極まりなく交差している四車線の車道を、彼女と自転車に乗って逃げている。立体交差点で地下にもぐったり、脇道の歩道に逸れたり。
 道の感じは、小田原から熱海にかけての海岸沿いの道路に近い。やたらと坂が多いところなんかも。もちろん、“ネオ新宿西口”から海は見えない。
 二人で何から逃げているのかといえば、ホテルの自警団と犬から。
 “ネオ新宿西口”にはない、むしろ熱海にあるようなそのホテルの屋上のネオンサインの看板に上って遊んでいたら、看板の一部(一文字)が外れて、ホテルの裏側に大きな音を立てて落ちてしまったのだ。
 けれど、ホテルの看板の一部を落としたことで自警団から追われているのではない。
 看板の一部が落ちたあとで慌てて排水パイプを伝って屋上から地上へと降りるところが、空き巣にそっくりだったから追われている。つまり、やっていない空き巣の件で追われている。
 追っているのは、痩せた六〇過ぎのライフル銃を持った老人と、小型犬。(一人と一匹だけの自警団なのではなくて、たくさんいる自警団員のなかの、一人と一匹。)宿泊客を狙った空き巣に、本来狙われるのは自分たち二人であるはずなのに、彼らからは空き巣と思われている。いや、自分たちはその熱海っぽいホテルの宿泊客だっただろうか?
 
 “ネオ新宿西口”の立体交差点の近くにある巨大なツタヤまで来たところで、さすがに老人と犬をまいたことに気づく。
「どうせだから並ぼうよ」
 彼女が疲れているようなので、自転車を路肩に止め、ツタヤの開店を待つ行列に紛れ込む。開店前に行列ができるなんて、まるでパチンコ屋のようだ。おまけに、このツタヤには前に夢で来たことがある。そのときは、急斜面の長い長い下りエレベーターを降りてきた、その出口の近くにあったのだが。
「どっちかっていうと、たこ焼きが食べたいかな」
 彼女の台詞の脈絡がわからない。たぶん、ホテルの看板の上で遊んでいたときの会話の続きだろう。看板の一部を壊してしまったのはうちだから、彼女にしてみれば、とつぜん会話が途切れたに違いない。
 ツタヤが開店して、他の客達がみんなツタヤに入っていく。
 自分たちはまた自転車に乗ろうとするが、自転車は二台ともない。
「プロの回収係にもっていかれちゃったんだよ。ちゃんと鍵をかけていたから、そこらへんのプーの人たちじゃ盗めないよ」
 回収係にもっていかれたのなら、立体交差点の向こう側にある、三階建ての自転車集積所に自転車はあるはずだ。手数料が5000円かかるから、まず一台だけ戻して彼女を乗せて、うちはアルバイトをしてまた5000円貯まったらもう一台を引き取ればいい。それにしても、あんなぼろぼろの自転車に5000円とは。馴染みが薄い自転車なら放棄しているところだ。
(「BIG BROTHER」はいつの間にか止んでいる。)
by warabannshi | 2008-03-04 04:22 | 夢日記 | Comments(0)
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