第156夜 「(A)大学病院のうち (a)大学病院の谷川俊太郎」
(A)
 病院。胃の幽門あたりの検査を受けに来ている。
 めずらしい病気や、無茶なことをすると診察がタダになる(昼食を食べた状態で内視鏡検査 etc)ので、大学生くらいの若い患者が多い。
 もしかしたら、ここは出来たばかりの大学病院なのかもしれない。
 病気や患者のサンプルを欲しがっているのだ。
 そう思うと、だんだん病院は武蔵美のキャンパスそっくりに見えてくる。
(a)
 その大学病院に勤めている若い男性の医者。
 施設内にある、リゾート・ホテルのスイート・ルームのような自室。壁も天井も、象牙色で日光もさんさんと降りそそぐ。カーテンは麻を編んだもの。まったく病院にあるとは思えない。沖縄かどこかだ。
 けれど、ものすごい量の本や資料が積んであって、ほとんど足の踏み場もない。
「君はロクデナシをこうやって保存しているのか」
 谷川俊太郎が、その部屋をぶらぶらと見てまわりながら、そういう感想をもらす。
「ロクデナシって、何がですか?」
 若い医者は書斎に閉じこもったまま。
 谷川俊太郎が来ているというのに。
「この本たちだよ。ロクデナシだろう?」
 谷川俊太郎は大判図鑑のようなシリーズを一つ手に取り、ゆっくりと[ユング]について調べ始める。
「ここのところ、読んでいて面白いのはユングくらいだよ」
(A)
 大学病院では、内科の受付でさっそく、診療がはじまる。
 おそらく、少ない医者の手を仮病でやってくる学生でわずらわせないためだろう。
 大きめのピンセットのようなもので、舌を挟まれ、ペンライトで胃の内部を照らされる。
「ちょっと腹筋運動してみて」
 ピンセットのようなもので、うちの舌を挟んだまま、受付のお姉さんが言う。無茶だ。別に、タダで診察を受けたいわけではない。弛んでいるらしい幽門を、元にもどしてもらいたいだけだ。
「じゃあ、発声してみて。幽門が見えないの」
(a)
 谷川俊太郎が、五歳くらいの子供に発声を教えているテレビ映像。
「お腹の底が声を出しているように、声を出すんだよ」
 どういうわけか、アニエスカ・ホランド監督の映画『敬愛なるベートーヴェン』のなかで、ベートーヴェンが弦楽四重奏を作曲するにあたり、
「これを聴けば、ケツの穴から天国へ行ける!」
 と得意そうに写譜師の女性に言うシーンが思い出されてくる。
by warabannshi | 2008-06-11 08:31 | 夢日記 | Comments(0)
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