第186夜 「大寒波のオムニバス:ゾンビ」
 ある地域(オーストラリア?)を、大寒波が襲っている。

[1]
 ショッピングモールの広い屋外駐車場で、空いたスペースをバックで探している。
 ロメロ監督の『ゾンビ』の駐車場くらい広い。
 だが、止められる場所はどこにもない。
 路面がアイスバーンになってつるっつるに滑るので、ブレーキも効きにくい。
 ハンドル操作を誤って、他の車のバンパーにぶつけてしまう。
 タイヤもスリップする。
 車体には、ひたすら慣性の法則がはたらきつづける。
 成す術もないまま、運転席にいる自分。
{こうやって慣性の法則のままに動いている物体(=車)ほど、“死んでいる”ように見えるものはない。“生きている”ようにみなされるものは、眼下の自律的に動く物体だ。“生きている”のに魂や精霊は必要ない。ロボット、アニメのキャラクターからカラクリ人形まで、それらが“生きている”ように見せかける工学的技術は、まったく神秘主義的だ。}

[2]
 ある懇親会が、廃棄されたバスのなかで行われている。
 その廃棄されたバスは、ショッピングモールの駐車場にあるのだろうか?
 それとも、別の場所にあるのだろうか?
 わからない。
 廃バスのなかで、ひどく貧しい十人ほどの人々が、酒やつまみを持ち寄って歓談している。
{彼ら/彼女らは、“ゾンビ”ではなかっただろうか? つまり、意識を持たない、哲学的ゾンビ。}
 だが、懇親する気がまったくない自分は、後部座席にいる。
 後部座席には、長髪のスウェーデン人の女の子が、食べるのを医者から禁止されているため、やはり手持ちぶさたにしている。
 彼女は、しかし、酒を飲むことは許されているので、どこからかお酒を持って来られれば、と思う。
 酔うためではなく、寒さ避けのためのスピリッツを。

[3]
 かつて、オーストラリアの日本旅館街にあるトウガラシ屋に、そのスウェーデン人の女の子は突撃した。
 なぜトウガラシ屋に突撃したのかはしらない。
 雪のふる晩だったが、まったく雪は冷たくない。まったく寒くない。
 トウガラシ屋の屋敷には、エロマンガを描いている老人が住んでいる。
 ずいぶん売れっ子なのだが、小柄で、エロマンガを描いているようには見えない。
{この二人が“ゾンビ”であるとは思えない}
 八畳くらいの書斎に隠って、エロマンガを描いている老人。
「散らかっているが、お入り」
 と言って、突撃してきたスウェーデン人の女の子を、温和に書斎に招き入れる。
 書斎は散らかってなんかいない。
 ただ、老人自身の描いたエロマンガが二、三冊、畳に散乱しているくらいだ。
 その後、スウェーデン人の女の子が老人をどうしたのかは知らない。
 二・二六事件のような惨劇が起こって、それで彼女は逃げているのかもしれない。
{犬養(老人)「話せばわかる」→将校(女の子)「問答無用」→将校(女の子)、犬養(老人)を銃殺}

[4]
 NASA・中学校の巨大なガラス張りの施設も寒波に襲われている。
 数人の回教徒が、いっせいにヘリウムガスの入った風船を放す。寒さ避けの儀式だろう。
 無人の空間に、向こうから一人だけ売り子のおじさんがやってくる。
 【Eメール】という、チュッパチャップスの胡椒肉バージョンのような食べ物を売っている。
「ありったけください」とうちが言うと、
「四本しかないよ。お代はいらない。どうせ余り物だから」
 そう言って、四本の【Eメール】をくれる。
「いえ、でもこれは正当な取り引きですから」
 おじさんに料金210円を無理やり手渡す自分。
 こうやって料金を支払うのが、礼儀にかなっているのか不作法なのか、わからない。
 【Eメール】を食べた記憶はない。
{売り子のおじさんは“ゾンビ”である可能性が高い。“ゾンビ”からは贈り物をしてもらってもいけないし、受け取った食べ物を食べてもいけない。(酒はいいのだろうか?) 黄泉国にいったイザナミを思い出すこと}

(08年8月12日8:37収録)
by warabannshi | 2008-08-12 13:24 | 夢日記 | Comments(0)
<< (無題) 第185夜 「自爆 or 自死」 >>



夢日記、読書メモ、レジュメなどの保管場所。
by warabannshi
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
twitter
カテゴリ
全体
翻訳(英→日)
論文・レジュメ
塩谷賢発言集
夢日記
メモ
その他
検索
以前の記事
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 01月
2016年 11月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 03月
2007年 01月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2004年 11月
2004年 08月
2001年 12月
記事ランキング