第192夜 「ツール・ド・??(千葉、あるいは、「半島」)」
 五〇〇時間くらいの、大規模な自転車レースに参加している。
 半島の先端までいって、また帰ってくる海岸沿いのコース。
 これだけ大きいと「ツール・ド・??」と呼ばれるはずなのだが、どうやら一日で開催しているらしい。
 “精神と時の部屋”みたいな特異な時間構造をもった場所なのだろうか?

 すでに三〇〇時間くらい走っている。
 一位と二位、続いて三位、そのあとに、先頭集団……というレース展開。
 自分はこの先頭集団のだんごのなかで、競技用自転車に乗って、走っている。
 ……はずなのだが、いつのまにか、半島の途中にある、公共宿泊施設にいる。
 公共宿泊施設は、農工大にある館山の施設の間取りとほぼ同じ。
 自分のチーム(監督(*1)、アナウンサー、自分。すべて同年齢)とともに作戦会議をしている。
 これは、回想?
 それとも、ワープ?
 あるいは、走行中の脳のなかで起こっている脳会議?
 (一日は二十四時間しかないのに、五〇〇時間も走っていられないのはおかしい。どこかで宿泊しなければならない)といううちの常識が、ヘンな形で影響をおよぼした結果なのだろうか?
 わからない。
 とにかく公共宿泊施設の、二階の、ある会議室で秘密の作戦を立てている。
「まともにやったって勝てるわけないんだから」と監督。
「行きはまともに走るとして、帰りは半島の先端から、ゴール付近まで最短で走れよ。」
「最短って、どういうことですか?」三人のなかでは一番格下である、アナウンサーが聞く。
「小学校のとき習ってなかったのかよ? ユークリッド空間では、直線が、二点を結ぶ最短の経路なの!」
 監督はそう言って、ホワイトボードに貼ってあるコース図に、定規とペンで、半島の先端とゴール付近の海岸を結ぶ直線を、海の上に引いた。(*2)
「でも、そこは海の上ですよ?」とうちが聞くと、
「バカ。フェリーに乗ればいいだろう」
「さすがにばれます」
「じゃあ、スワン(スワンボート)だ」
 レースに参加するのは、結局自分一人しかいなんだな、と感じながら、トイレに立つ。
 この公共宿泊施設のトイレ(洋式)には二重の防壁がなされていて、核攻撃にも耐えられる構造になっている。
 おまけに、個室の広さは三畳ほどもあって、壁面が合わせ鏡になっているからだだっ広く感じられる。
(こういう頑丈なトイレが、「安心」という抽象概念をささえているんだ)と思いながら、放尿。
 しかし、まさにそのとき、この秘密会議が自転車レースの当局にバレてしまったらしく、叔母が偵察に訪れている。
 二階の会議室へと、階段をあがっていく叔母。
 気がつかずに、陰謀の証拠をホワイトボードに貼りつけたままの監督とアナウンサー。
 頑丈なトイレのなかで籠城可能なうちは、果たして二人を弁護しに、トイレから出ていくべきだろうか?

(08年8月26日04:35収録)

(*1)自転車競技の監督、というよりは、映画監督だった。
(*2)だが、五〇〇時間を、一日のうちのある一部に折りたたむことが可能なこの空間が、ユークリッド空間であるとは到底思えない。
 この時間の折り畳みは、ちょうど地図を折りたたんで、二点のあいだの見かけ上の距離を短くするようなものだと思う。地図を見るぶんには折りたたまれて、二点のあいだの距離は短くなっているけれど、実際に走っているときは、けっして短くなっていない。

by warabannshi | 2008-08-26 05:05 | 夢日記 | Comments(0)
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