第195夜 「post 『変哥子』、盗難自転車で走る」*
 自転車駐輪所の曲がりくねった通路を、自転車で進んでいる。
 彼女Fと、一台の自転車に交代で乗りながら、どこかに行こうとしている。
「どこにいくんだっけ?」とうちが聞くと、
「大宮町だよ!」とFが答える。
 いまはうちが自転車に乗っていて、Fが随走している。
 ほんとうに、この自転車駐輪所の曲がりくねった通路が、「大宮町」までつづいているかどうかは、疑わしい。
 阿佐ヶ谷駅から、高円寺駅までつづく中央線の高架の下は、こんなふうになっていなかっただろうか。
 それに、よく見回せば、ここは自転車駐輪所ではなく、放置されて、撤去されたあとに、自転車が行き着く墓場であり、うちが乗っている自転車も、かつて撤去されたか盗まれたかしたものだということがわかってくる。
 この自転車の乗り心地によって、かつての記憶がもどってきたからわかったのか?
 それとも、いつも自転車には二人乗りするFが、こうやって二人乗りをしないで走っていることからわかったのだろうか?

 屋内は薄暗くて、コンクリートは打ちっぱなし。天井は高い。
 低圧ナトリウム灯のオレンジ色の光で、高速道路みたいな色合いになっている。
 灰色になって走っているFを、撮影するように凝視する。
 すると、
【眼球のなかに、腹のなかに、睾丸のなかに、玉子のなかに、
 幼児(ベビー・ユニバース)がいる。】
 という貼り紙が視界に入って、ますます、大学のなんちゃって映画部が撮るような不条理映画っぽくなっていく。
(「幼児がいる」のではない、爆縮がおこっているだけだ。) 


 そろそろ自転車を交代しよう、ということになって、自転車を降りると、居酒屋がある。
 休憩がてら、入店する。個室に通される。
 個室もやはり、薄暗い。ただし、色合いはふつう。
 日本酒(冷や)を頼むと、紙パックと茶筒が出てくる。
 紙パックはメーカーとバーコードが剥がされていて、読めないようになっている。どう考えても、安物。「鬼ごろし」とか。色は、かろうじて透明だが、酸っぱかったりしたら、クレームは必須。あるいは、そういうクレームをごまかすために酔い覚めの緑茶がセットでついてきたのか?
 千利休の竹一重切花入みたいな、へんな形の容器にそそぎ、日本酒を飲む。
 口をつけただけなのにむせかえるほど、濃い。
(前の夢のなかでも、こういう日本酒を飲んでいた。
 前の夢は、『変哥子』という、壇一雄の短編のワンシーンに関する夢だった。
 ところで、夢のなかで酒を飲むと、帰ることができなくなるのではないか?)
 と思い、いまのここが夢であることをいつのまにか知っている自分に気がつく。

 
(08年9月2日19:39収録)
by warabannshi | 2008-09-02 22:00 | 夢日記 | Comments(0)
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