第204夜 「富士急ハイランド、廃園ド」*
 富士急ハイランドに、自家用車(クーペ)を運転して来ている。ものすごい岩山のほぼ山頂に富士急ハイランドはあるので、園内にたどり着くまでが一苦労。岩肌とアスファルトだけの山道を、切りがかかって景色も見えず、対向車もいないままひたすら上り続けていく。これに耐えられなくて、生半可な入園者はすぐに引き返す。
 また、山道は一本道でまちがいなく富士急ハイランドにつづいているはずなのに、いつの間にか富士急ハイランドを通過して、気づかないまま下り坂に入っているということもある。これは富士急ハイランドへの入園を無意識に避けている場合に起こる現象だ。(まるで『ジョジョ』のポルナレフ)

 富士急ハイランドは、その特異なジェットコースターのコースのおかげで遠くからでもすぐに識別できる。富士急ハイランドのジェットコースターのコースは信じられないほど長い。おまけに長方形。マクドナルドのマックリブのCMに出てくる長方形の観覧車を、そのままジェットコースターにしている。一回転もひねりもない。それだけに恐ろしい。なんといっても岩肌で、周りは深い霧につつまれているのだ。下降をはじめたまま、そのままの勢いで落下、自由落下運動したとしてもまったく不思議ではない。
 とても広い園内には、もちろんそんなジェットコースター以外の乗り物もある。
 なので、自分は「拷問部屋」に入る。

 「拷問部屋」は、中世フランスの拷問部屋をできるかぎり忠実に再現したアトラクション。
 そのわりには、洞窟というか赤茶色の土で塗り固めた鍾乳洞みたいなところが舞台。壁には牛の顔の生皮がはがされて幾つか飾られている。
 ぜったいにレプリカなのだろうが、グロい。
 「拷問部屋」は、天野喜孝がプロデュースしているのだろうか、とも思う。
 生皮は天井から糸で吊り下げられてもいる。空洞になった眼の穴から、向こう側の壁の木目が見えて、その木目がちょうど眼球のように見えて、視線が合う。
 すばらしい仕掛けだ。と感動する。
 拷問されているのは、魔女の汚名を帰せられたミスティバル夫人(@『閨房哲学』)と、ユダヤ人男性。
 これも説明によればロボットのはずなのだが、鞭打ちのたびに聞こえる悲鳴とかが尋常でないほど生々しい。
「まったくロボットとは思えない精巧な作り。とりわけゾッドのバランス制御は完璧だ。」
 そうNASAの職員が讃辞を寄せている。
 そうか、ここにはゾッド(@『ベルセルク』)もいるのか。
 拷問部屋はドーナツ状になっていて、一周してもとの位置にもどると、さっきより牛の生皮の数が増えている。
 ミスティバル夫人の拷問はすでに終わっていて、
「夫人の妊娠を避けるために、無数のペニスによる射精はとりやめになりました」
 との注意書きがされている。夫人はロボットではなかったのか? それともこの注意書きもパフォーマンスの一貫なのか?(ニューヨークの殺人課に「コロンボ警部は外出中です」のプレートがかかっているように)
 ユダヤ人男性は、最初は顔の右側面を殴られていたのだけれど、なぐられすぎて顔の右半分が無くなっている。残った左側の口腔が露出していて、とても生々しい。鼻から額にかけては、発泡スチロールが赤く塗られているだけで、その無造作なかんじにさらに嫌悪する。
 よく見ると、赤茶色の床には、彼の顔の右側面の耳からこめかみにかけての皮膚と髪の毛の一部がべちゃっと貼りついている。
 気持ちが悪くなったので「拷問部屋」から出ようとすると、すぐ近くですごい咆吼。
 ゾッドだ。天井に頭がつくぐらいの大きさで、自律二足歩行している。
 さらに、どういうプログラムを組んでいるのか、こちらを認識して、近づいてくる。追ってくる。
 天井から吊り下げられている無数の牛の生皮を避けながら、必死に「拷問部屋」からの出口を捜す。
 だが、ドーナツ状の「拷問部屋」の出口は増えつづける牛の皮に邪魔されて見つからない。ほとんど「布屋敷」だ。ただし、いまは垂れ下がっているのは緞帳のような布ではなくて、牛の顔の皮だ。
 ゾッドはロボットとは思えない、よろめきを組み合わせた歩き方で迫ってくる。

  「拷問部屋」から逃げ出した後は、一目散にクーペで富士急ハイランドから逃げ出したように思える。
「こんな富士急ハイランドは排卵してしまえ!(「排卵」を「廃園」の意味合いで使っている)」
 しかし、そんなのは、じつはまだ「拷問部屋」でゾッドに追いかけられている自分のみた幻なのかもしれない。
by warabannshi | 2008-10-18 03:44 | 夢日記 | Comments(1)
Commented by スタビ at 2010-02-06 12:15 x
こんな冬に暖かなHOTな情報がホントに癒されます^^素敵なブログでした♪また遊びに来ます^^
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