カテゴリ:夢日記( 712 )
第710夜「シリアルキラー」
 プラットホームで電車を待っていると、向こう側のホームで士郎正宗の漫画から抜け出してきたような物騒な重火器と装備品に身を包んだ兵士が、ホームに並んでいる一般人を、近い順に、わざわざ小型銃で撃っていく。シリアルキラーである。流れ弾に当たらないように、そっと鉄骨の柱の陰に移動する。所詮は対岸の火事である。おさまるまで待とうと考えていると、後頭部に固いものが押し付けられ、轟音とともに景色が暗転する。そして走馬灯が始まる。

走馬灯①:プロテイン粉末を抹茶と一緒に牛乳に溶かして毎朝飲んでいる筋肉質の友人が、ついに玄米をその飲み物の中に入れようとしていて、さすがに溶けないからやめろと言う。「もちろん粒のままでは入れないさ。ちゃんとすりこぎで擂る」「すりこぎで擂ったって駄目だと思うな」。
走馬灯②:映画館であまりに泣いて、とうとうすべての水分を出し尽くしてしまい、服だけになってしまったという映画監督の最期。彼の涙の理由は定かではない。
走馬灯③:首長竜の全身骨格が飾られている博物館で、プラネタリウムの特別上映を見るために、死んだ祖父K行列に並んでいる。しかし、この行列の先は本当にプラネタリウムに続いているのか?まったく進まないが、そもそもこの行列もまた飾りではないのか?
by warabannshi | 2016-04-06 08:08 | 夢日記 | Comments(0)
第709夜「ルービックキューブ」
 人体をルービックキューブのように折り畳むことができるようになったため、多くの人が競って自らの体を加工する。一辺が20センチに満たない立方体になりさえすれば、冷凍睡眠の要領で数年~数十年の暦をまたぐことが可能となるからである。しかし、みずからを梱包から解くには、自分以外の誰かに、すべての面を合わせてもらわなくてはならない。この圧倒的受動を秘匿して、金満家を10×10のルービックキューブに加工し、然る後に別途、“解除料”を請求する詐欺まがいのケースが問題となっている。
by warabannshi | 2016-03-26 07:14 | 夢日記 | Comments(0)
第708夜「クロックス」
 ローマの庭園を模した、しかし落葉樹ばかりが植わっている緑地公園で、巨大なピンポン玉を口に含んだ男を、彼のくるぶしを掴んで引き摺っている。呼吸が止まっているのかどうか知れない。引き摺るのをやめて確かめたいが、もし呼吸が止まっていたら、死因は引き摺り方が悪かったせいではなく、口に含んだピンポン玉のせいであることを弁明できないので、とにかく指に力を込める。石造りの部分を選んで歩く。草地よりも摩擦係数が低いと思うからだが、どうだろう。
 どれだけ歩いたかわからないが、とうとう嫌になってしまい、男を棄てることにする。私は彼のくるぶしを放し、彼の踵を地面に置く。私は素知らぬ風をして、私の自転車が停めてあるはずの方向へ歩き出す。数十歩あるいたところで、振り向くと、引き摺っているときはぴくりともしなかった男が起き上がっている。私は歩みを速める。もし彼の意識を失わせたのがじつは私であるならば、報復されるのは必至である。ふと、自分の足に目をやると、ばかげたオレンジ色のクロックスを履いている。もし私が男であれば、これを目印にするだろう。私は慌ててクロックスを脱ぎ、手にはめる。私のこうした行動が、私の罪責感をより男の眼にとまりやすくしていることは否定できない。
by warabannshi | 2016-02-16 05:14 | 夢日記 | Comments(0)
第707夜「RPGツクール」
 『薔薇の名前』と『ルパン三世 カリオストロの城』を足して二で割ったような教会の上層階で、人身売買、偽札造り、不正な徴税などの嫌疑がかけられた教会の主を追っている。出来損ないのRPGツクールのように、武器となるものが見栄えがするものの冗談のように重い両手剣しかない。引き摺ればますます疲れるので、かかえて細い木造の階段を登る。
 大きな図書閲覧室を兼ねた広間に出ると、嫌疑の主がいる。往生際悪く、すでにレイピアを抜いている。そう、屋内のやっとうなら細身で軽い扱いやすい刃物であるに越したことはない。ミランダ警告がこの時代にあるのかわからないが、ひとまず先方にかけられている嫌疑を勧告しようとする。しかし、物言う間もなく、雄叫びとともに嫌疑の主は切りかかってくる。大層な武器のわりに、防具は胸当てくらいしかないので、増援の来るまで待とうかという考えが頭をよぎるが、それまでこちらが逃げられそうもない。窓の外には隣の尖塔と、黒色火薬の煙、そして青い空がどこまでも広がっている。
 初撃を紙一重で躱し、両手剣を棄てて得物として使えそうなものを探す。書見台にあるペーパーナイフをとり、ないよりましとふり返って構える。しかし、そのときにはもう、眼を血走らせた嫌疑の主はいない。
 はてな、と辺りを見回すが、誰もいない。床には両手剣と、手には相変わらず蛍光グリーンで何かがびっしりと書かれているペーパーナイフが握られている。自分が上ってきた階段から、アラブ系の修道僧が姿を現す。期待していた増援ではあるまい。私はペーパーナイフを構え、そして驚くべきことに彼に向かって袈裟懸けに切りかかる。血しぶきが飛ぶような惨事は、もちろん起こらない。しかし、若い修道僧は、それ以上に何もなかったかのように、私と眼を合わせることもなく、切りかかられたという物理的事実とはまったく無関係に書見台に向かう。
by warabannshi | 2016-02-01 06:31 | 夢日記 | Comments(0)
第706夜「洪水」
 川沿いの高校の校舎のなかで高校生をやっている。知らない学友たちのあいだで古典の授業を受けているが、身は入らず、窓の外の豪雨が気にかかる。激しさを増す雨の奥、川縁で土嚢を重ねている作業員の人たちがめげずに動いており、濡れない室内にいて申し訳ないと思うと同時に、ヘルメットとレインコート姿の彼らはちゃんと呼吸できているのかと訝しむ。何せ、地上で溺れるほどに雨が降っているのだ。
 不躾なサイレンの音が鳴り響く。そのサイレンの意味するところがわかり、もう一度、川縁に目をやると、すでに十数人の作業員の姿はなく、濁流がその幅を広げている。どこかが決壊したのか、どこかが決壊するとこんな現象が生じるのか知らない。気が付くと、自分を含めた生徒たちは坂の中腹におり、必死にそれを登ろうとするが、水量はひどく静かに増えていき、遅れた者、排水溝の近くにいる者を次々に団子のようにして飲みこんでいく。彼らや彼女らをどのように鎮魂することになるのだろうか、毎年この日になれば、全校生徒で黙祷とかするんだろうなと、まったく他人事のように考えることで、自分は生き残れる側にいるのだと、ともすれば萎えそうな両脚に思い込ませようとする。
by warabannshi | 2016-01-03 09:14 | 夢日記 | Comments(0)
第705夜「いやがらせ」
 名前を知らない婚約者の父親が来るというので、1DKの自室を片付けている。見えるところだけを整頓し、見えないところに押し込めるだけだが、十分だ。義父にあたる小柄な中年男性がやってくる。顔つきは友好的とは言いづらい雰囲気だが、気付かないふりをして、まま、どうぞ奥へ、と案内する。すると、突如暗転。部屋の隅から数えきれないほどのネズミがあふれ出してくる。
「ネズミだ!赤痢、ジフテリア、コレラの媒介者!」
 義父が説明臭く叫ぶ。私は驚くが、しかしそれならペストとチフスだろうと思う。そして何より、このからくりの糸に直感的に気付く。近くにあったゼットライトのスイッチを捻る。眩い光に照らされた室内で、数えきれないほどいたと思えたネズミはたった1匹しかいない。その1匹のネズミこそが義父である。最近、流行しているいやがらせ代行サービスだ。義父は、ネズミを湧かせる基本コースに、赤痢、ジフテリア、コレラのオプションも付けたのだろう。しかし、それらがいっぺんにやってくるわけではないのだ。
by warabannshi | 2016-01-02 09:07 | 夢日記 | Comments(0)
第704夜「準備」
 ワイシャツ姿でネクタイをしめ、机と椅子と壁掛けホワイトボードが揃った四畳半ほどの空間で、本を山積みにし、しきりにホワイトボードにメモを取りながら何かを考えている。部屋に窓はないが照明と換気は十分であり、ドアの向こうの廊下にも人の気配はない。同じような小部屋が廊下沿いに、根端分裂組織の細胞のようにずらりと並んでいることはわかっている。ここは英会話教室のビルだ、英語を講じる者も講じられる者もいないとしても。
 彼女Fがドアをノックする。
「せっかく私が途中まで片付けたのに、太田さんが続きをやらなきゃ世話無いですよ」
 積み上げられた本には付箋とメモがびっしりと挟み込まれており、それをどうこうすれば良いことはわかっている。
「コーヒーメーカーがどこかにあるはずだから、ちょっと休憩していて」
「紅茶はないんですか? あと、ここ不用心すぎやしませんか?」
 作業は遅々として済まない。そもそも何の作業なのかもわからない。これらの本をまとめれば良いのか。これらの本で講義をすれば良いのか。何かの準備をしているのだろうが、どうすれば準備し終わったことになめのか。彼女Fに確認したいが、逆鱗にふれそうなので切り出せない。どこかで遠くで寄席が始まったらしく、果てしない廊下の奥からかすかに出囃子が聞こえる。
by warabannshi | 2016-01-01 09:41 | 夢日記 | Comments(0)
第703夜「便利屋」
 はるか昔に崩れた城壁にぐるりと囲まれた開けた中庭で、何人かの名前の知らない便利屋の同僚たちと、やはり名前を知らない上司から今日の仕事の割り振りを聞いている。テーブルに並んでいるピザはどれも冷め気味であるが、良く晴れていて頗る気分が良い。
「君はツバメの巣ね」
 紙束に目を落としたまま、上司は私に言う。
「アマツバメのものでなくて良いのですか?そこらへんにあるものでも?」
「指定はない。でも、卵、糞、羽毛以外の巣のなかの異物は捨てずに必ず保管するようにと書いてある」
 この話を知っている、と私は直感する。燕の子安貝だ。石上麿足はアウトソーシングしたのだ。
 私はさっそく腕を上下させて羽ばたき、夏にツバメが巣を作っていた石壁の縁に降りたつ。とりあえず一つめ、とその巣を回収しようとしたそのとき、巣のなかにいた親指ほどのサイズの緑色のツバメが私の右手をしたたかに啄む。まさかこのツバメはここで冬越しをする気なのかと驚き、良く見ると、ツバメではなくゾエア幼生である。
「これで良いか」
 明らかに異物であるので、条件は満たしている。ゾエア幼生とツバメの巣を持って、私は上司のもとに降りたつ。
「じゃあ、次の仕事を割り振るまでちょっと待機ね」
 私はまたテーブルに着く。名前の知らない同僚がピザを3切れほど回してくれるが、いよいよ冷めている。
by warabannshi | 2015-12-27 09:30 | 夢日記 | Comments(0)
第702夜「改修中」
 ここ3日間ほどの夢のなかで巨大な改修中の駅に訪れている。この駅がいずれの夢でも同じ構造を保ち続けているかぎりでは、ほぼ全体像がつかめたように思える。北口、西口、東口の3つがあり、北東に向けてプラットフォームが伸びた、傾いだL字型の作りをしている。L字型の長いプラットフォームの中頃にあいた北口は、プラットフォームより他に通じていないので入ったらそのまま電車に乗っていくしかない。その電車がどこに通じているかは知らない。階段を降りずに窓をのぞくと、プラットフォームを覆う錆びたトタン屋根が遠くまで続いており、無数の瓦棒が固定化したさざ波のように見える。西口は昔ながらの面構えの商店街に通じている。天津甘栗の店が店先から濃い香りを放っており、こちらにもまだ訪れたことがない。いつかの夢で、ここで待ち合わせをしていたはずだが、誰を、なぜ待っていたのか思い出せない。下校時刻なのか、女子高生が何人もこの西口から駅の中に入っていった。東口はあることだけが感覚される。
 永福町、吉祥寺、渋谷、国立など、ここ数年で建てかえられた駅の、まさに改修中だったときの駅が貼り合わされているかのようであり、雨漏りのする迷宮のような一時凌ぎの造りをこそ、もっと真剣に記憶しておくべきだったと悔いる。古い駅と新しい駅のことは写真に残され、語る人も少なくないだろうが、その途中の駅の様子を憶えている人はどれだけいるだろうか。
 一度も飼ったことのない柴犬が水を求めて鳴くので、暗い台所に行って皿に水を汲んでやり、犬の舌が水を跳ねさせるのをしゃがんで見つめる。
「神様?」
 振り向くと音で目が覚めたのか、祖母Fがいる。
by warabannshi | 2015-11-28 06:59 | 夢日記 | Comments(0)
第701夜「体験入隊」
 体験入隊のために国分寺駅で電車を乗り換える。駅の構内にまで冷たい霧が滲出していてすこぶる気分が乗らない。体験入隊の志願者たちでプラットフォームは混み合っており、全員示し合わせたかのように救命胴衣のようなダウンジャケットを着ている。男ばかりであり、誰も一言も発しない。
 電車が到着すると、しかしガタイのよいこれらの連中は戸惑うように、先を譲り合う。ははあ、臆しているな、と私は思う。ドストエフスキーの、いざ銃殺刑となったときに落ち着いているのはインテリであるという『死の家の記録』の文言を反芻し、1人のインテリゲンチャたらんとして、努めて平静に、不穏な四辻めいた車内に乗り込む。私の後に、ガテン系の面々が続く。無論、気分が良い。
 電車がどのように走ったか知れない。いつの間にか電車は大型バスに変わっており、真夜中の田んぼの畦道をしんしんと駆け抜けている。赤く映える曼珠沙華がぱっと蹴散らされる。私は自分が宿舎に向かっていることを知る。
 竹格子の裏木戸を盛大に突き破って、大型バスは田んぼの脇の東屋にたどり着く。私はバスを降り、志願兵のモラルの体現たらんとして突き散らされた竹の破片を広い集めはじめる。
「そのままで良い、そのままで良い」
やんごとなき雰囲気とともに、幾代前かの天皇が現れる。VTRでは、さらに別の代の天皇が巨大な蛙の面を付けて儀式を執り行っている。
「どうぞお楽になさってください」
せめて東屋に通す。幾代前かの天皇はVTRを眺めながら、待機中らしくやはり蛙の被り物を携えている。
「よろしければ、マッサージなどいかがでしょうか」
「お願いしましょう」
私は幾代前かの天皇の後ろにまわり、肩胛骨と脊椎に沿って背中の筋肉を触診する。強い強張りと加齢を感じさせない筋繊維が指紋を透して伝わる。これが玉体かと感心する。すでに首の付け根には鍼が何本か打ってあり、日々の重責を偲ばせる。
by warabannshi | 2015-11-07 00:38 | 夢日記 | Comments(0)



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