カテゴリ:夢日記( 709 )
第686夜「波止場」
 波止場をもつ街におけるさまざまな景色の断片。
 ――街灯。建築やデザインに疎いのでなんというのかわからない。ロマネスク様式、という言葉だけが浮かんでくるが、それが果たしてこの街灯を形容するのに妥当かどうか、やはりわからない。昔、ガス式の街灯にいちいち火を灯していた男が、ある日突然、街灯が電気式になるからという理由で首になったとき、そのときに初めて新しい光をこの波止場の街にもたらしたであろう、年代ものの街灯である。同じような街灯は、この街に何本かある。この街灯は、広場に1本だけ立っている。
 ――船出。船が曳航する白波をデッキから眺めておろしているだけで、すでに帰りたくなっていますね、と、船の上でビデオカメラに向かってしゃべっているのは他ならぬ私で、なにを気取っているのかと思う。一体全体、誰がこのビデオカメラを回しているのだろうか。
 ――犬たち。巨大な犬たちは、波止場のあるこの街の人々と見分けがつかない。しきりに撫でてもらいたがっている者がいれば、それは人ではなく、犬である確率が高い。夜、若い母親と幼い兄妹が広場を散歩しているところに酔っ払いが出くわした。酒精にひたった頭に特有の馴れ馴れしさを発揮して、彼がその親子に近づいていくと、(以下忘却)
by warabannshi | 2015-01-10 07:46 | 夢日記 | Comments(0)
第685夜「探検隊」
水木しげるの書く南方戦線の部隊となるような熱帯雨林を探検している。極めて湿度が高く、頭がぼんやりする。夜の帳はここでは散乱しており、直線によって囲まれた断片的な闇が、粘菌のように樹の根の上をさまよっている。発達した階層構造は太陽光を林床までもたらさないが、散乱した夜は光の欠如ではなく、闇として物質的に実体を持つようである。近くの手のひらほどの闇をつついてみると、それは無数の煤へと分解し、微かな笑い声とともに霧消していく。消えていくひとつひとつに、小癪な笑顔が浮かんでいるような感覚を覚える。
by warabannshi | 2015-01-01 09:41 | 夢日記 | Comments(0)
第684夜「ピアノ」
 慎ましやかなアップライトピアノのある応接室で、ある論文の序文の翻訳をしている。原文は英語で書かれているのか何なのか、よくわからない。プリントアウトした紙束を手に、床に置いてある犬の餌皿をひっくり返さないように注意しながら、さほど広くない応接室をぐるぐると熊のように歩き回る。そして、ある程度、内容が掴めたように思えたので、ピアノの黒い蓋を開け、シュレッダーにかけるように、紙束を鍵盤に食べさせる。すると、その内容にあわせて、旋律が弾かれる。ジェイソン・ムラーズの"I'm Yours"に似た、戸惑いと陶酔がまざったような出だしで、私はそれに合わせて翻訳をはじめる。
「この本は他の多くの本と同じように、読者の喜びや哀しみ、躊躇や小心さに寄与するために書かれた」。
 以下、忘却。
by warabannshi | 2014-12-19 07:36 | 夢日記 | Comments(0)
第683夜「明晰夢」
 誰もいない畳敷きの大広間に通されて、寄席が始まるのを待っている。どこに居ていいものかわからないので、ひとまず通された襖の向かいの隅に座る。ひんやりと肌寒いが、暖をとるのによいものは何一つないので、腕組みをして、出し物が始まるのを待つ。
 しばらくまっていると、藍色に染めた柔道着の上だけを羽織った大学生らしき男が、出囃子を口で鳴らしながら、座布団をそこらじゅうに撒きはじめた。こちらに一つ、手渡しにくるかと思ったが、ひととおり放り投げると、そのまま行ってしまった。
 静かになった、おそろしいほど広い大広間で、ぽつねんと座っていると、突如としてこれが夢であることに気づく。
 これを書き留めなければと思い、紙とペンがあることを念じると、あにはからんや、私の右手には緑色の蛍光マーカーが、左手にはカレンダーに使われていそうな光沢紙が握られている。これが明晰夢というものかと深く感じ入り、さっそく書きはじめる。
「夢のなかでペンはいっそう***である」(一部忘却)
 緑色だとばかり思っていた蛍光ペンは、書いてみると黄色とも橙色ともつかない奇妙で化学的な明るい色合いである。
by warabannshi | 2014-12-12 14:13 | 夢日記 | Comments(0)
第682夜「壁」
 その巨大な絵画は、遠目からは十字架が描いてあるようにみえる。近寄ると、横軸にあたる部分は漆喰で塗られた壁であり、一列に並んだ30人余りの人々の後ろで酷く汚れている。さらに近寄ると、東欧の共産圏で配給されていそうな寒々しい色合いのコートに身を包んだ男たち女たちは皆、銃殺されていることがわかる。しかし、誰一人として頽れた者はなく、銃殺の瞬間を忘れさせないように立ち尽くしている。それが無言のプロテストを示しているのかと思いながら、さらにその巨大な絵に歩み寄っていくと、人々の亡骸は左右に分かれた壁にそれぞれ荒縄のようなもので、壁ごとまとめて縛られて固定されていることがわかる。それぞれの荒縄は、左右のそれぞれの壁のもっとも外側にいる2人の男によって、反発しあう磁石の両極のように渾身の力をこめて引っ張られている。その縄をよくよく見てみれば、それは彼ら自身の腹部から引き出された鈍色の腸である。
 酷く気分が悪くなり、ざらついたテクスチャから目を背けようとしたが、私が立っているのはその処刑現場の正面であり、1匹の大きな蠅が耳殻にとまる。
by warabannshi | 2014-12-01 22:20 | 夢日記 | Comments(0)
第681夜「虫食い」
 吉祥寺駅北口にあるシェアハウス用の物件を下見するため、夕方のバスに乗り込む。間違いなく遅刻してしまう。16時をまわったばかりだが、外の空気はすでに夜のそれであり、バスの車内は木通の香りが立ち込めている。鞄の中から、紙媒体の本を取り出す。トインビーのルポルタージュ的長編小説、『虫食い』である。イギリス人なのに昆虫食とは珍しい。それともかの国では、油で揚げられ、ポテトを添えられれば、あらやる節足動物を歓迎するのだろうか。
 語り口は一人称であるが、じっさいに昆虫を食べていくのは、彼の無感動な友人である。文字を読み進めるに従い、バスの中と『虫食い』のロンドンが混ざり合う。バスを降り、私は待ち合わせのパブへ向かう。待たされているFはテラス席で1人、ビールとフィッシュ・アンド・チップスをつまんでいる。
「この店はすごいよ、6つ子がウェイターやってる。このジョッキを下げるふりして、店内を覗いてみるといい」
 空になった分厚い硝子のジョッキを持っててんないに入ると、なるほど、無性生殖でもしたかのようにそっくりなウェイターが黒いエプロンを巻き、そっくりな笑顔で接客をしている。
「こういう店が近くにあるだけでも、ここに物件を借りる意義がある」
「そうだね」
 私たちは店を出て、しばらく黄昏時の町を歩き、下見の予定の一軒屋にたどりつく。廃屋と言うには整っているが、大幅なリノベーションの必要性を感じさせる現状である。いつの間にか、Fは2人に分裂しており、雨戸を開けて風を入れたり、水回りを確認したりしている。私はとくにやることもないので、写真で記録をすることにする。大きな灰色のアシダカグモが逃げていくのを目にして、人並みに怖気をふるう。Fに言うべきではないだろうと思う。
「庭に蜂の巣があるよ」
 Fの声が聞こえるので、私は畳がぶかぶかしている和室を横切り、縁側に向かう。どちらか片方のFが、紙袋のなかのチップスを食べながら、宵闇の縁側でうすぼんやりと浮かび上がるボール上のそれを指す。厄介なことに、スズメバチの巣だ。「業者を呼ばないと…」と言おうとFを向くと、Fが紙袋からつまんで食べているものの正体が分かる。
「それ、何の甲虫?」
「これ? わからない。生物の先生なら肢の形とかから同定してよ」
 さっきのパブで購入したものだろうか、それにしても、Fはいつから昆虫食が平気になったのかと、恐れ入っていると、1匹の蜂が飛んできて、縁側の柱にとまる。そして、ぶるぶる震えると、頭がころりと落ちる。残ったのは黄色と黒の警戒色をほのかに光らせる腹と胴だ。Fは臆することなくそれをつまみ、口に入れ、そして小骨のように針を抜く。
「野趣あふれるね!」
 私は感嘆して思わず叫ぶ。そしてFの口腔内で咀嚼され、原型を失っていく蜂の体に思いをはせる。
by warabannshi | 2014-11-11 08:16 | 夢日記 | Comments(0)
第680夜「空想」
 小動物を駒として用いる「生将棋」の棋士である私は、明日の対局のための集中力を養うため、川沿いの緑化公園を散歩している。グラウンドでは草サッカーに興じているティーンエイジゃーたちが色とりどりの声をあげている。私はそれを横目で見ながら、ニホンオオカミを北米大陸に連れて行ったら、段ボールから出て来られなくなるくらい委縮するだろうか、ということを考えている。あるいは、段ボール箱を逆さにして、亀のようにそれをかぶり、用心深く進むのだろうか。しっかりしろ!私は、ベンチに置いてある2つの大小の林檎のうち、小さい方を歩きながら手にとる。まだ青い。しかし食べられないほどではない。だが、それ以前に私は林檎アレルギーなので、食べることはできない。ではなぜ林檎を手にとったのか?「見知った楽園から外に出るための知恵の実」というシンボリックな小道具が欲しかったからか?空想のなかにしかいない、臆病なニホンオオカミの個体のために?
 「森に帰れ!」「あなや!」私は不意に、この林檎が、1人のティーンエイジャーの朝食である可能性に気づく。戻って返すべきか?しかし、ずいぶんベンチから離れてしまった。それに、休憩時間と見えて、ティーンエイジャーたちがベンチのあたりに戻ってきている。ここは知らん顔をして立ち去ろう。だが、奇妙な頻度で、私のほうにグラウンドからサッカーボールが転がってくるように思える。
by warabannshi | 2014-09-15 06:52 | 夢日記 | Comments(0)
第679夜「断片」
 一貫性のない、6つ以上の夢を見る。
・60センチほどの巨大な蝙蝠の死骸をプラスティネーションしたものを添い寝するほど大事にしているが、五つ星ホテルの支配人からの通達により、むりやり寄贈させられることとなる。スイートにブルース・ウェインでも泊まるのだろうか。甚だ理解に苦しむ。
・N先生が土壌保全関連のツイートを信じられないほど多くリツイートしている。興味があるのかと思い、ダイレクトメッセージを送ることにする。しかし、ダイレクトメッセージのボタンを押しても、乾いた咳払いの音がするだけで一向に起動しない。
・双子の妹が「包帯を!」と呼ぶので、階下に行く等身大の白い繭ができあがっている。人使いの荒さに辟易しながら、しかしこの場合、彼女に必要なのは本当に包帯なのかと考える。別の単語と聞き違えたのだろうか。
・自室の部屋のあらゆるものが、日焼けしたあとの背中の皮膚のように薄皮を剥げる状態になっている。
 他の2つは忘却。
by warabannshi | 2014-09-13 07:16 | 夢日記 | Comments(0)
第678夜「狸」
 中学生の頃からの友人と、久しぶりに行った町はずれの崖の下にあるカレー屋は、いつの間にか風俗店となっており、肌艶と雑談の言語から類推するに、明らかに不正入国者ばかりが働いてている。友人となんやかんやと議論していたせいで、まったく気づかずに店内に入った私たちは、かまちのところで立ちすくむ。
 「すみません、間違えました。カレー屋かと」。勿論、そんな言い訳が通るとき思っていない。しかし、
 「あ、カレーのときからのお客様でしたか」。
 風俗店は一瞬にして、景気の良い盛り付けが売りのカレー屋に戻る。狸に化かされているかのようだと思っていると、やはりそのようで、感心した私は、その場にいた一人を身請する。
 そして無論、私のせいではないが、2年後に彼女は身罷る。交通事故だったかもしれない。よくわからない。しかし、彼女はもういない。私は泣きに泣き、町のすべてが私と彼女の死骸と記憶もろとも水没することを願う。しかし、彼女はいない。朦朧とした意識のなかで葬儀のことをどうしようかと悩んでいると、夜更けに、彼女の眷属たちが私の部屋を訪ねてくる。
「彼女の葬儀はこちらであげさせていただきます」
「しかし、異類の身で婚姻の契りを交わしたあなたにも来ていただかねば」
「無論です、無論です」
 私はあいかわらず泣き顔のまま、町はずれまで狸たちに手を引かれていく。さぞ異様な風体に見えるだろうと思うが、町に人は誰もいない。正確に言えば、私たちが往く通りのすぐ横の通りはいつも通りの賑わいを見せている。私たちが往く通りにだけ、人払いがなされている。
 町はずれのカレー屋のあったところで、私は彼女の眷属らに、この地域における伝統的な葬儀の次第を教えてもらう。まず、私は葬送の出発点となるこの崖の下で、彼女を偲び、泣く。婚姻が、けっして欲得ずくで行われたわけではないことを証しだてるために。私の涙は枯れ果てることなく流れ続けていたので、私はいっそう大きな声で泣く。
 いつしか涙はくるぶしから膝下、腰のあたりまで達する。その水面の上を、彼女の遺骸を載せた小舟が滑るように現れる。小舟は、夜の闇のなかに並んで立つ、巨大な力士の股の下を、控えめなさざ波とともに移動していく。
「さあ、一緒にお送りいたしましょう」
 私もまた、百鬼夜行の類に仮装した彼女らの眷属とともに、小舟と併走するかたちで町の方へと進んでいく。小舟はいよいよ町に差し掛かる。碁盤の目のようになった15の通りを、ひとつ、またひとつと、小舟と私たちはまたいでいく。私たちがまたいだあとの交差点には、しばらくしてからごく当たり前のように自動車が走り出す。それがまるで、幻燈の暗幕が閉じていくようだと思う。
 ふと、私は小舟と私たちがどこに向かっているのかを知る。カレー屋とは町を挟んで反対側にある、私の家だ。小舟は私の家の裏口に、私は家の玄関に立つ。私が玄関のドアを開けると、彼女がいつものように私を出迎えてくれる。彼女は、私のお腹のなかに赤ちゃんがいるの、と私の耳元で囁く。私は死骸であるはずの彼女をきつく抱きしめ、鼓動を感じ、その髪を手でくしけずる。


 漫画を読んでいるのか、そういうアニメを観ているのか定かではない。実写作品でないことは間違いない。しかし、頁を捲る感覚はない。宙に浮いた眼球だけが浮いて紙面を読んでいるわけではない。夢そのものが、ひとつの漫画かアニメを映すブラウザであるような感覚がある。電子書籍はこのように動いているのだろう。その内容は、上記の通り。
by warabannshi | 2014-08-21 11:20 | 夢日記 | Comments(0)
#677 "rainy day's breads and books"
Blinding sheets of rain, I really don't want to walk. Of course, I have two umbrellas. One is a vinyl. The other is borrowed from somewhere. I put up an borrowed umbrella, walk along an moist avenue lined with trees. If only I rode bicycle, I could decide to get soak to the rain.

I later come to a bakery. This bakery sell not only breads, but also books.
"You rambled and vague. Don't buy books. Your bookshelf is already full!"
My steady F warn. I get in a line, take care of my clothe's moist. I order two short pizzas. "I don't recommend this tomato puree" and clerk take a look at bookcase.
by warabannshi | 2014-08-16 10:08 | 夢日記 | Comments(0)



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