カテゴリ:夢日記( 709 )
第8夜 「医療用ロボットとは白鳥なのか、兎なのか?」
 駅の芝生で、医療用ロボットが六体、踊っている。
 早稲田大学の近くの駅であることはわかるけれど、高田馬場ではない。
 もっと、田舎の駅だ。
 医療用ロボットは、なぜか鳥の形をしている。
 この六体が、どんな医療に用いられるのかは知らない。想像もつかない。

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by warabannshi | 2006-03-29 04:28 | 夢日記 | Comments(0)
第7夜 「月」
 バスの停留所、というかロータリーで、待ち合わせをしている。
 彼女はいつ来るかわからない。
 待ち合わせの時間を、はっきり決めておかなかったせいだ。
 彼女は来ないかもしれない。来る気配がない。
 そもそも、バスのロータリーに、自分以外の人影が見えない。
 ロータリーには乾いた枯葉がまばらに小さな山となっていて、錆びた手すりやお洒落な街灯と相まって、辺りになんとなくフランスっぽい雰囲気を漂わせている。

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by warabannshi | 2006-03-18 16:08 | 夢日記 | Comments(0)
第6夜 「母の眼球/父との将棋」
 とにかく、何かのレース中なのはわかっている。
 そうでなければ、こんな山の中の黴臭い小屋、というか休憩所にいるわけがない。
 十二日十三泊という長丁場で、数十人の若者たちがゴールを目指して競争している。
 どこにゴールがあるのかは、知らない。
 たぶん、誰も、知らない。
 けれど、親切なことにアスファルトで舗装された道が小屋の前からは続いている。
 山道とは思えないほどキレイに舗装されている。ヒビも入っていないし、黒光りしている。
 この舗装された道を進めば、ゴールまでたどり着ける。
 ……そう思わせるのが、主催者のネライだ。
 今日の昼すぎだって、二股に分かれた山道で、地図をロクに調べないで、左の舗装されている道を進んでいった第一集団が、まとめて道に迷った。というか、まったく逆の方向に進んでいった。
 途中で地図と照らし合わせた誰かが道の間違いに気がつき、全員で慌てていま来たコースを引き返したけれど、二位だった女の子は最下位グループにまで転落してしまった。挽回は、もうムリだろう。
 うちはその一部始終を、静止画像も入ったVTRで見ていた。
 VTR?
 この黴臭い小屋に、テレビなんて上等なものがあっただろうか?
 いや、ある。ちゃんと、赤い小型テレビがある。
 ムダにかわいいデザイン。
 というのも、ここは廃業したプチホテルだったらしいのだ。
 部屋の隅に付いている小さな洗面台からは湯も出るし、歯ブラシまでコップに入っている。
 ついでなので、歯を磨く。
 歯肉が腫れていることに気がつく。

 一晩眠ると、だいぶ体も軽くなった。
「ちょっといい?」
 母親が部屋に入ってくる。
 まさか、母親までレースに参加していたとは知らなかった。
 いや、べつにレースに参加していなくても、ホテルに泊まる客はいるだろう。
「眼にゴミが入ったみたいで…」
 母親の左眼球を明かりを点けて覗き込んでみると、たしかに、
 眼球の下、白目のところにまつ毛が刺さっている。
 まつ毛が眼球から生えているのではない。
 毛の先端が、眼球に刺さっているのだ。毛根は関係ない。
 棘抜きを持っていればベストなのだけれど、そんな繊細なものはキットの中にない。
 仕方ないので、指先で引き抜こうとする。
 一回目は失敗。
 二回目で、硬い針のようなまつ毛をつまみ出す。
 途端に、ボロボロと透明な液が眼球の傷口から溢れだす。
 でも、うちは慌てない。
 べつに眼球が萎んでしまっても、液が出ただけならやがて回復するはずだ。


 その日も陽のあるうちは、山を駆け回って、岩肌をよじ登ったり、崖を滑り降りたりした。
 腕も足の筋肉も強ばっている。体が重い。
 また、打ち捨てられたプチホテルを見つけて、休むためにそこに這いずりこむ。
 壁にもたれかけて呼吸を整えていると、正面の三つ並んだドアの、左と真ん中のドアから、何かが床をするするすと這ってこっちに迫ってくる。
 左のドアからは延長コード、真ん中のドアからは掃除機のプラグが伸びてくる。
 どちらも、それぞれの部屋の中に隠れている超能力者が操っているのだ。
 二人とも、中学生の双子の女の子だということはわかっている。
 このコードに巻き付かれて縛られたらオシマイだ。
 平気で感電死とかさせられそうな予感がする。
 平成生まれは何をするかわからない。
 とっさに、掃除機のプラグを、延長コードのコンセントに差し込む。
 バチッ! と、ショートした音が聞こえたと思ったら、
「あーあ……」
 と、失望したような溜息が、それぞれの部屋から洩れてきた。

 どういう経緯があったのかさっぱりわからないけれど、双子の女の子を含めた六人編成のパーティと意気投合して、プチホテルの同じ部屋に泊まることになった。
 同じ部屋、と言っても、左の部屋は物置だし、右のドアは釘で打ち付けられていて開かないので、真ん中の部屋しか使えず、みんなそこに集まっているだけだ。
 三段ベッドが二つあって、ソファと合わせれば、ちょうど七人まで寝ることができる。
「そういえば、お前、将棋かチェス、打てる?」
 話をふっきてたのは、端正な顎ヒゲを生やしたアニキ風の男だった。
 このアニキは、じつは推理小説家で、パーティのメンバーは全員そのことを知っていた。
「YOU KNOW?」
 と、わざわざ英語で訊いてきたのでカチンときて、
「I’m novelist too」
 と答えた。まあ、いまはnovelistと認知されてはいないけれど。
 将棋なら打てるよ、と答えると、どこからともなく将棋盤とコマを持ってきた。
 どうやらプチホテルに備え付けてあったらしい。ムダにサービスが良いホテルだ。
 将棋のコマを盤面に並べていると、どうもおかしい。
 見たこともない名前のコマが混じっている。
 例えば、【亜怜(あれい)】、【前(まえ)】なんてのがある。
 どうやって動かせばいいのかすらわからないし、裏には奇妙な漢字が書かれている。
 読み方すらわからない。
 アニキも困惑したようで、
「とりあえず、使えるコマだけ使おうぜ」
ということになった。
 結果的に、アニキの【歩】が半分くらいしかなくて、
「じゃあ、俺の【歩】は横移動もできるようにしてくればいいよ」
と言ったので、それで了解してさっそく対局を始めた。
 数手指したところで、うちの四間飛車がキマる。
 これはうちが勝ったな、と内心で思っていると、
「あれ、それ二歩だろ」
 アニキの指摘をよく見てみると、たしかに盤面には二つ縦に並んでイチゴが乗っている。
 このイチゴは、【歩】の役目を果たしていたイチゴだ。
「ちょっと待てよ、まじに興ざめだよ」
 ブーイングするアニキの顔は、いつのまにか父親の顔だ。
by warabannshi | 2006-02-24 05:04 | 夢日記 | Comments(0)
50「魚類の眼」
 静かな朝焼けの円形商店街を歩いていると、うめき声が聞こえる。
 どうせ酔っぱらいが反吐まみれになってるんだろうと、ふと路地裏を覗いてみる。
 Tシャツ姿の若人が一人、ゴミ捨て場にへたりこんでいる。
 その頸動脈から白く湯気のたつ血が噴きだしている。
 こういうときに医者は強い。
 人体は全血液の三分の一を失うと死に至る。人間の血液量は成人で体重の約七パーセント。このうつむいた青年の体重は目算六〇キロ。血液量は五リットル弱。既出血量はその半分は優にある。
 つまり、この若者はもう手遅れということだ。
 間接圧迫止血法を施すために脱ぎかけたコートをはおりなおす。
 ゴミ袋にもたれかかったまま生温かい肉塊になりつつある彼に必要なのはただひとつ。死体袋だけだ。
 携帯電話をとりだして一一九ではなく、一一〇を押しかけたときおかしなことに気がつく。
 見つけたときから出血の勢いはまったく衰えていない。
 五リットルどころか風呂桶いっぱいの血が出ている。
 もう出血は止まってもいいはずではないか?
 なのに彼は相変わらず、噴水のように鉄分豊富な体液をまき散らしている。
 Tシャツもゴミ袋も細い路地の壁も、すでに体液でぼどぼどだ。まさか。こんなことはありえない。
「そうでもないです」
 噴水男がうつむいたまま、突然口をきく。
「みなさんやってることです。ただ俺は少し派手なだけで、」
 半眼だった魚類のような眼の焦点が合う。
「だから、そんな目で見ないでくださいよ」
 青年はそう言うと、四肢を投げ出した姿勢のままで急速に縮んでいった。
 青年はゴミ袋大になり、手のひら大になり、小さな点になって消えたとき、吹き出たままだった血はやっと止まった。
 残されたのはまっ赤に染め上げられた路地と、ゴミ袋の山と、青年のTシャツとジーパン。
 その血みどろのゴミ袋の一つがいきなり蠢く。
 半透明のビニールを内側から破り、裸の右腕が生える。
 腐汁がビニールの中から飛び散る。
 膨張したビニール袋はなおも震え、身もだえし、ついに破裂する。
 全裸の若者がゴミ袋から生まれて、その裸足でゆっくりと立ち上がる。
 腐敗物と腐汁にまみれた体が、朝日を照り返して真っ白に光る。
 みんながやっていること、とはつまり、この転生のことなのだろうか?
 彼の息が、路地に漂う。白い湯気が濃い。

(2008.02.07 UP)
by warabannshi | 2004-11-30 23:41 | 夢日記 | Comments(0)
48「ウルリクムミ」
 機械都市。女の子。留守番。片足。

 女の子がスチールベッドに寝ている、。恒温タオルケットは薄い。
 彼女はひさしぶりに植民群島の夢を見ている。
 それが彼女には嬉しくてなつかしい。
 目が覚めたとき、思わず腹筋を使って寝床からはね起きようとする女の子。
 でも、片足なので、うまく起きあがれない。
(一ヶ月もたつのに、しょうがないね。)
 静かに右足だけを立てて重心を動かし、寝台からずり落ちる。
 部屋の中に、酸性の雨音が低く響いている。
(菌類電灯がダメになってしまうのではないだろうか?)
 女の子は床に足を投げ出して、ペットボトルを手に取る。
 残り少ない滅菌水を飲み干す。
(この味も匂いもない透明な液体は、どうも好きになれない。)

(2008.02.07 UP)
by warabannshi | 2004-11-28 23:18 | 夢日記 | Comments(0)
15「閃輝暗点」
 しゃぼん玉の幽霊が体の中を通り抜けるので、その形状を記憶するのに忙しい。
 そんな漫画家。ボイスレコーダーが手放せない。

(解説)
 閃輝暗点とは、偏頭痛を持つ人の約四割が経験する視野異常。五十二の領域に分類された大脳皮質の奥の奥、第十七視覚野の血管の痙攣によって起こる一時的な幻覚。
 金環蝕のようにキラキラと閃光を放つ。
 そんなしゃぼん玉の幽霊を、近代医学は「閃輝暗点」と名付ける。
 しゃぼん玉の幽霊が頭痛を伴うのは、恐くて寂しいものを見た脳に負担がかかるから。
 カリウムの血中濃度を上げるために野菜中心の食生活に代えると、それは消える。
by warabannshi | 2004-08-27 01:07 | 夢日記 | Comments(0)
08「準備運動/犬の階段」
(*1)
 漫画の原稿を描いている。あとはペン入れするだけ。
 その前に準備運動がてら正拳突きを数十発やるが、汗が飛び散って原稿が台無し。

(*2)
 「階段」というものをその犬が知らないのは、彼が野良犬であり、一歩も街から出たことがなく、その街というのが、道という道はことごとく石の階段でできた街だったからだ。

(2008.02.07 UP)
by warabannshi | 2004-08-20 23:59 | 夢日記 | Comments(0)
03「カトンボスモーカー」
 「喫煙者」でも「愛煙家」でもないけれど、数日に一本だけタバコを吸う人は「カトンボスモーカー」なのだ。
 
by warabannshi | 2004-08-15 00:45 | 夢日記 | Comments(0)
02「雨さえ降れば」
 十六時ごろのネバダ砂漠を、伝令兵が一人でうろついている。身長は一五八センチ。
 迷っているのか、そういう作戦(斥候とか)なのかは不明。
 突然、嘔吐し始める。胃の腑がひっくりかえるように。
 膝が砕けて、吐瀉物のなかに倒れこむ。
 どうあっても熱射病と、水分・電解質不足だ。
 なぜ、砂漠には雨が降らないんだろう。
 地球は青いんじゃなかったのか?

(2008.02.08 UP)
by warabannshi | 2004-08-14 11:25 | 夢日記 | Comments(0)



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