笑半紙:その他
2015-11-08T20:45:37+09:00
warabannshi
夢日記、読書メモ、レジュメなどの保管場所。
Excite Blog
【告知】6/12(日)「第十二回文学フリマ」の詳細【イ-02】
http://warabanshi.exblog.jp/16453597/
2011-06-11T02:14:00+09:00
2015-11-08T20:31:22+09:00
2011-06-11T02:15:24+09:00
warabannshi
その他
日程 : 2011/6/12(日)11:00開場~17:00終了
場所 : 大田区産業プラザPiO 大展示ホール・小展示ホール
アクセス : 京浜急行本線「京急蒲田駅」徒歩3分
当ブログの出店ブースはイ-02です。
販売するものは、以下の通りとなります。
《 新 刊 情 報 》
■文庫本『続笑半紙』80頁 400円
前作『笑半紙』が〈肉料理〉だとしたら、本作『続笑半紙』は〈ツナサラダ〉くらいの濃さです。前作が『インランド・エンパイア』だとしたら、本作は、『水曜どうでしょう』くらいの緩やかさでお送りします。『続笑半紙』では、実在する物や場所の名前が多く現れます。記録のなかに実在する何かの名前が多いほど、その夢は、起きているときの記憶の、単なる順列組み合わせのように思えます。
しかし、「私たちの現実こそが、消えた夢の記憶の順列組み合わせである」とはいえないでしょうか? 夢の中で、誰もが感動する素晴らしいメロディを作曲したのに、目覚めたあと、自分でもう一度そのメロディを聴くことができないことを残念に思ったことはありませんか。夢から覚めても忘れないように、五回も十回もそのメロディを口ずさみ、手帳に採譜したにもかかわらず、夢から覚めると消え去ってしまう記憶と記録。私たちが生きているのは夢のなかのメロディではないでしょうか。――しかし、私たちにそう思わせることこそが、じつは夢の巧妙な戦略なのかもしれません。
《 既 刊 》
■文庫本『笑半紙』76頁 400円 (2010年5月4日)
夢日記のテキスト量は、ブログ掲載時のかるく三割り増しになっております。複数のテキストを一つに編集し、原型をとどめないほど念入りに推敲しました。「誰にとっても新しく、そして、誰にとっても懐かしい」。当サークルの看板商品。
■文庫本『上の空』 300円 (2011年12月5日)
夢の記憶と現実の記憶の境目がなかなかつかない方のために、晩秋から初冬までの季節までの「上の空」を蒐集しました。上の空になっているとき、人は決して集中していないわけではありません。むしろある事柄に過剰に集中しているのです。
■B5判『其処に意味をお与えにならなかったので』20頁 200円 (2010年5月4日)
ネット上で小説を書き始めてから、2010年で10年目になりまして、そのあいだに随分文体も変わったのですが、ちょうど当ブログをはじめた2005年前後に書いた作品を選び、編集しました。浅葱ヒタキさんによる装丁とデザインで、愛嬌ある仕様になっています。
■折りたたみB5判チラシ「クラフト紙による笑半紙」太田和彦 無料 戦利品紹介
文フリから帰宅。缶ビールを飲みながら、購入した同人誌を机の上に広げて、ぱらぱらと捲っているところ。精読するには体力が足りないので、とりあえず印象の備忘と、各サークルの紹介としてメモしたいと思います。
-反社会人サークル『ロウドウジンvol.2』200円:特集は「震災」だけれど、むしろ「トイレに篭もる」、「社畜」な気がした。それともそれらは通奏低音なのだろうか。「タバコのミリ数を減らそうと思ったのはより長い時間喫煙所にいるためすよ」が悲痛すぎる。
-青年文化ゼミ有志『文化と表現vol.8』100円:特集は「排外」。まだ「ジョーカーの排除ゲーム」しか読んでいない。exclusivityはD論の裏テーマだし、クリスチャン・ベイルのファンなので(『アメリカン・サイコ』は最高)、かなりストライクな論考だった。じつは『ダークナイト』は未視聴。見たいなあ。
-佐藤『アイデアル・ワールド』800円:経口摂取を必要としない人造人間がパンを食べ、「湿り気の無いただ粉砕されただけの嘔吐物」を吐いて、「つまらない」と言うシーン、もし食べたのが肉だったらどうだったろう、と思った。
-『官能ノイズ』700円:未読。ぱらぱらして、目に飛び込んだフレーズを列挙すると、以下の通り。「雨の日が、酸っぱい吐息で満たされる。援軍が来たのだ。胃弱の兵団が。酸っぱい吐息を漏らして、辺境都市に、胃弱の兵団がやってくる」。
-かっぱの友『Lettera vol.0』600円:本(=手紙Lettera)を白い封筒に入れて可愛いテープで封印し、綴り紐、題字、イラストの基調色をショッキングピンクで統一して、トレーシングペーパーの半透明や、頼りない触覚とあわせたりするのは、これはもう電子書籍では伝達不可能な情緒。太田が現地で一目惚れして買った唯一の作品。
-アニメルカ『アニメルカvol.4』1200円:岡田麿里作品の年表+クロスレヴュー、村上裕一のノスタルジー論は、保存版。喉の放浪息子論「Ⅳ.「秘密」の解体に向けて」を読み、初めてgreen eye(=嫉妬)が二鳥→高槻だけでなく、土居→二鳥にも働いていることに気付く。な、なるほど…。
-シャドウ・クラスタ『BLACK PAST』:巻末の黒歴史作品レヴューで、『放浪息子』、『リリィ・シュシュのすべて』、トリュフォーが並んでいたことが衝撃だった。なぜなら、自室の本棚の一区画には正確にその三つが隣接して並べられているから。これからこの区画を黒歴史棚と呼ぶことにしたい。
以上、敬称略で失礼しました。
笑半紙の文フリ感想
新刊『続笑半紙』は完売しました。夢割を利用してくださる方が多くて、楽しい一日でした。ありがたいことです。
他に良かったことは、ピースの又吉さんを知ることができたこと。サンダルがカッコいい不思議な雰囲気の人が『笑半紙』を買ってくれたそのあとで、友人が、「あの人はピース又吉さんといって、太宰治好きで有名なお笑い芸人なんだよ」と教えてくれて初めて知りました。又吉イエスの関係かなと思っていたら、村上君にも「君は当世のお笑いを知らなすぎる」と言われたので、さっそく又吉さんのブログ「猿」を拝見。とても白昼夢的な文章が載っていたので、ご紹介します。
そんなことを考えながら歩いていると僕を追い越して行く人の傘から飛び出した骨の先端に付いているキャップが僕の真ん中で分けた髪のセンターラインを優しくなぞって行き瞬間的に体温が低下したような感覚になり、なんか情けなかった。]]>
【告知】5/5(木/祝)「コミティア96」の詳細【と15a】
http://warabanshi.exblog.jp/16280880/
2011-05-04T18:33:00+09:00
2015-11-08T20:30:55+09:00
2011-05-04T18:33:46+09:00
warabannshi
その他
日程 : 2011/05/05(木/祝)11:00〜16:00
場所 : 有明・東京ビッグサイト東1・2ホール
当ブログの出店ブースはと15aです。
販売するものは、以下の通りとなります。
■文庫本『続笑半紙』太田和彦 80ページ ¥400 新刊!30部
カテゴリ「こんな夢を見た」より。収録作品はすべてブログにアップされている記事をもとにしています。
前作『笑半紙』が〈肉料理〉だとしたら、本作『続笑半紙』は〈ツナサラダ〉くらいの濃さです。前作が『インランド・エンパイア』だとしたら、本作は、『水曜どうでしょう』くらいの緩やかさでお送りします。『続笑半紙』では、実在する物や場所の名前が多く現れます。記録のなかに実在する何かの名前が多いほど、その夢は、起きているときの記憶の、単なる順列組み合わせのように思えます。
しかし、私たちの現実こそが、消えた夢の記憶の順列組み合わせなのではないでしょうか。夢の中で、誰もが感動する素晴らしいメロディを作曲したのに、目覚めたあと、自分でもう一度そのメロディを聴くことができないことを残念に思ったことはありませんか。夢から覚めても忘れないように、五回も十回もそのメロディを口ずさみ、手帳に採譜したにもかかわらず、夢から覚めると消え去ってしまう記憶と記録。私たちが生きているのはそのメロディではないでしょうか。――しかし、私たちにそう思わせることこそが、じつは夢の巧妙な戦略なのかもしれません。
■文庫本『笑半紙』太田和彦 76ページ ¥400 残り12部
カテゴリ「こんな夢を見た」より。収録作品はすべてブログにアップされている記事をもとにしています。
夢日記のテキスト量は、ブログ掲載時のかるく三割り増しになっております。複数のテキストを一つに編集したり、原型をとどめないほど念入りに推敲しました。
<夢日記>という人をくった趣向の記録文は、古くは鎌倉時代の明恵上人から、明治以降は夏目漱石、内田百閒、黒澤明、島尾敏雄、細野晴臣、山本直樹という偉大な先達たちによって書き記しるされてきました。どれもこれも最高に面白いのでお勧めです。「素寒貧でも楽しめる、そして一生退屈しない」夢という現象の報告書。
・西瓜鯨油社の牟礼鯨さんからレヴューをいただきました。ありがとうございます。
■B5判「其処に意味をお与えにならなかったので」太田和彦 20ページ ¥200 二刷 残り21部(各色7部ずつ)
カテゴリ「犬の生活」より。収録作品はすべてブログにアップされている記事をもとにしています。
ネット上で小説を書き始めてから、2010年で10年目になりまして、そのあいだに随分文体も変わったのですが、ちょうど当ブログをはじめた2005年前後に書いた作品を選び、編集しました。浅葱ヒタキさんによる装丁とデザインで、愛嬌ある仕様になっています。
■折りたたみB5判チラシ「クラフト紙による笑半紙」太田和彦 無料]]>
【お知らせ】2011年、年賀状について。
http://warabanshi.exblog.jp/15623718/
2010-12-17T11:55:00+09:00
2015-11-08T20:32:00+09:00
2010-12-17T11:55:54+09:00
warabannshi
その他
年賀状を送っていただいた方には寒中見舞いをもって代えさせていただいています。
喪中ではありません。あと年賀状反対派でもありません。せっかく「原始メール」で手紙を出すなら裏も表も印刷されたものをばらまくよりかは、ごくふつうの絵葉書でふつうに送りたいなと思っているだけです。牛や兎の楽なイラストも、固くキチンとした筆字も印刷されていないし、お年玉くじもついていないもので。(年賀状をふつうに書けよ、と言われる向きもあるかと思いますが、皆様がそうであるのと同じように年末は用事が後から後からわいてくるものなのです)
このブログの存在を知らない、この記事を読んでいないであろう方には、今年も快調に年賀状を出す予定です。年賀状のやりとりという細い糸しかないのならば、それはもう大事にします。もうどんな容貌だったのか、記憶も定かではないし、それは先方も同じだろうけれど、とにもかくにも出します。
我侭者ですみません。そういうわけで、どうぞよろしくお願いします。]]>
【告知】12/5(日)「第十一回文学フリマ」の詳細【O-06】
http://warabanshi.exblog.jp/15515712/
2010-11-26T02:02:00+09:00
2015-11-08T20:32:36+09:00
2010-11-26T02:03:04+09:00
warabannshi
その他
日程 : 2010/12/5(日)11:00開場~17:00終了
場所 : 大田区産業プラザPiO 大展示ホール・小展示ホール
アクセス : 京浜急行本線「京急蒲田駅」徒歩3分
当ブログの出店ブースはO-06です。
販売するものは、以下の通りとなります。
《 新 刊 情 報 》
◆文庫本『上の空』太田和彦 ???ページ ¥300 初版 50部
「あなたはなぜ集中することができないのか?」 好きなはずの音楽を聴いていたり、お気楽な漫画を読んでいながら、なにをやっているのかわからなくなることはないか? よく直前のことが思い出せなくなりはしないか? 「人の話を聴きなさい!」とよく叱られないか? ――そんなとき、あなたは決して集中していないわけではない。過剰に集中しているために上の空になっているだけなのだ。ある種のconcentrationについての掌編集。
◆CD『犬芝居〈顔見世〉』太田和彦+藤枝侑夏 ¥150 初版 15部
販売延期。申し訳ありません。
《 既 刊 》
■文庫本『笑半紙』太田和彦 76ページ ¥400 残り4部 + 20部
カテゴリ「こんな夢を見た」より。収録作品はすべてブログにアップされている記事をもとにしています。
夢日記のテキスト量は、ブログ掲載時のかるく三割り増しになっております。複数のテキストを一つに編集したり、原型をとどめないほど念入りに推敲しました。
<夢日記>という人をくった趣向の記録文は、古くは鎌倉時代の明恵上人から、明治以降は夏目漱石、内田百閒、黒澤明、島尾敏雄、細野晴臣、山本直樹という偉大な先達たちによって書き記しるされてきました。どれもこれも最高に面白いのでお勧めです。「素寒貧でも楽しめる、そして一生退屈しない」夢という現象の報告書。
・アニメルカ製作委員会【エ-01】の最新号で対談を載せている村上裕一さんからレヴューをいただきました。ありがとうございます!
夢は、人間に残された最後のフロンティアである。しかしそれは、我々の現実から薄紙一枚のみにて隔てられた――というよりもまさにその薄紙の表裏として――存在している。だから誰もが夢について語る。夢と無関係な人間はいない。にも関わらず、夢は我々にとって「遠い現実」である。ジャック=アラン・ミレールが言うように「天皇ですら自分の夢を支配することはできない」。それゆえにか、夢は常に古今東西の知識人を魅了し続けてきた。フロイトの『夢判断』、ユングの『夢分析』、夏目漱石の『夢十夜』など、夢に関する探求は枚挙にいとまがない。本書『笑半紙』は、さしずめそんな「夢探求」の最新形である。とはいえ何か目新しい技術があるわけではない。あるのは、誰しもが見ているはずの夢に対する徹底的な執着である。太田和彦は深く静かに下降する。それこそが非凡な作業ゆえ、本書は誰にとっても新しく、そして、誰にとっても懐かしい。
・西瓜鯨油社【R-10】の牟礼鯨さんからレヴューをいただきました。ありがとうございます!
■B5判「其処に意味をお与えにならなかったので」太田和彦 20ページ ¥200 残り17部
カテゴリ「犬の生活」より。収録作品はすべてブログにアップされている記事をもとにしています。
ネット上で小説を書き始めてから、2010年で10年目になりまして、そのあいだに随分文体も変わったのですが、ちょうど当ブログをはじめた2005年前後に書いた作品を選び、編集しました。浅葱ヒタキさんによる装丁とデザインで、愛嬌ある仕様になっています。
■折りたたみB5判チラシ「藁半紙による笑半紙 三号」太田和彦 無料]]>
【告知】11/14(日)「コミティア94」の詳細【も04b】
http://warabanshi.exblog.jp/15432106/
2010-11-10T08:43:00+09:00
2015-11-08T20:33:13+09:00
2010-11-10T08:43:28+09:00
warabannshi
その他
日程 : 2010/11/14(日)11:00〜16:00
場所 : 有明・東京ビッグサイト西1・2ホール
当ブログの出店ブースはも04bです。
販売するものは、以下の通りとなります。
■文庫本『笑半紙』太田和彦 76ページ ¥400 残り14部
カテゴリ「こんな夢を見た」より。収録作品はすべてブログにアップされている記事をもとにしています。
夢日記のテキスト量は、ブログ掲載時のかるく三割り増しになっております。複数のテキストを一つに編集したり、原型をとどめないほど念入りに推敲しました。
<夢日記>という人をくった趣向の記録文は、古くは鎌倉時代の明恵上人から、明治以降は夏目漱石、内田百閒、黒澤明、島尾敏雄、細野晴臣、山本直樹という偉大な先達たちによって書き記しるされてきました。どれもこれも最高に面白いのでお勧めです。「素寒貧でも楽しめる、そして一生退屈しない」夢という現象の報告書。
・西瓜鯨油社の牟礼鯨さんからレヴューをいただきました。ありがとうございます。
■B5判「其処に意味をお与えにならなかったので」太田和彦 20ページ ¥200 残り22部
カテゴリ「犬の生活」より。収録作品はすべてブログにアップされている記事をもとにしています。
ネット上で小説を書き始めてから、2010年で10年目になりまして、そのあいだに随分文体も変わったのですが、ちょうど当ブログをはじめた2005年前後に書いた作品を選び、編集しました。浅葱ヒタキさんによる装丁とデザインで、愛嬌ある仕様になっています。
■折りたたみB5判チラシ「藁半紙による笑半紙 二号」太田和彦 無料]]>
【告知】日本ラカン協会第9回ワークショップで発表させていただきます。
http://warabanshi.exblog.jp/15076041/
2010-09-06T12:51:00+09:00
2015-11-08T20:37:19+09:00
2010-09-06T12:51:22+09:00
warabannshi
その他
場所:専修大学神田校舎7号館774教室(7F)
(〒101-8425 東京都千代田区神田神保町3-8)
参加費:無料
日本ラカン協会では、公認読書会において一昨年より『エクリ』読解に取り組んでまいりました。最初のテキストを「《盗まれた手紙》についてのゼミナール」に定め、ゆっくりと時間をかけ読み進めてまいりましたが、今夏、読了間近となったため、この読解成果をもとに、自由に議論を行い、相互に理解を深めていく場として、今回のワークショップを企画いたしました。
まず午前中に、「《盗まれた手紙》についてのゼミナール」について読書会参加者有志による研究発表を行います。次いで、午後からは、これをより広いコンテクストに位置づけるべく、気鋭の文学研究者、河野智子・斉藤毅・野網摩利子氏を提題者としてお招きし、精神分析と文学の境界領域についての議論を深めて行く予定です。
どなたでも参加可能ですので、ふるってご参加下さい(参加費無料)。
午前の部 10:00~13:00
テーマ:「《盗まれた手紙》についてのゼミナール」読解
(各発表 20~30分、質疑応答30分)
発表者:数藤 久美子(大阪市立東生野中学校教諭)
「手紙の宛先-手紙が置き換えられる三つの場所」
発表者:太田 和彦 (東京農工大学農学府博士課程)
「『《盗まれた手紙》についてのゼミナール』に関する諸言及の整理の試み
―なぜ『エクリ』の冒頭は「ローマ講演」ではないのか?―」
発表者:中村 亨(中央大学商学部教授)
「『《盗まれた手紙》についてのゼミナール』における
デュパンの<情念の激発>について―空白を埋める想像」
午後の部 14:00~17:00
テーマ:「Lettres―文字・手紙・文学」
(各提題40 分、質疑応答:全体で60分)
司会:原 和之(東京大学)
提題者:河野 智子(明治大学兼任講師)
「ポーの『盗まれた手紙』とオートマトン」
概要:ポーの物語には、特異な分析能力で難解な事件を解決するデュパンが登場する。デュパンは精神分析家のイメージを持っているが、分析能力を発揮するときの彼はまるで機械人形のようであり、「メルツェルの将棋指し」に登場するオートマトン(自動人形)を連想させる。この人形が世間の注目を集めるのは、正確な計算を行うからではなく、人智が関与して作動する機械であるがゆえに、不確実性を伴うからだ。「盗まれた手紙」では、数学的に推理する警察は捜査に失敗するが、その原因は、一つの原理に固執して思考を枠内に限定したからである。そもそも精神分析家とは、感情を伴う人間ではなく、役割、機能であるべきだとされているが、その機能に徹することでどんな効果が得られるのだろうか。本発表では、オートマトンとして能力を発揮するデュパンに理想の分析家像を探りながら、オートマトンが孕む二重性や、数学的思考の枠を超越する高次の原理について考えたい。
提題者:斉藤 毅(獨協大学非常勤講師)
「文字と時間―1930年代のマンデリシターム」
概要:ラカンの「『盗まれた手紙』についてのセミネール」は、ポーの作品をなによりもフィクション(小説)、そしてドラマとして扱い、分析していますが、そこで展開されていることは、詩とは何の関係も持たないのでしょうか。ここではこの問題について、ロシアの詩人マンデリシタームの1930年代の創作を例に考えてみたいと思います。詩は投瓶通信であると述べていたマンデリシタームは、スターリン風刺の詩を書いたために逮捕され、1938年に収容所で死にました。こうした詩人の運命は、ラカンが「セミネール」で手紙=文字=文芸について、また警察を含めた権力について語っていることと触れあうところがないでしょうか。さらに、「セミネール」ではシニフィアンと時間との関わりが重要な論点となっていますが、この点に関し、1930年代のマンデリシタームが「証言者」として生きた時間性(時間のあり方)にまで踏み込むことができたらと思っています。
提題者:野網 摩利子(東京大学助教)
「言葉から文字へ/文字から言葉へ─漱石後期小説の運動─」
概要:夏目漱石『明暗』では登場人物間のさまざまなやりとりで意味の〈穴〉が浮上してゆく。本発表はこのような意味の空部を漱石がどのように小説作りに活かしたかを考察する。
他者の思惑への反応を小説で念入りに記す場合、手紙への反応を取りあげるのが恰好だ。漱石は『彼岸過迄』『行人』『こゝろ』などで、他者の疑惑の一部を解く説明的要素を手紙に持たせてきた。『明暗』においては、疑惑を刺激し、拡大する手段として手紙を使用している。
手紙が移動するのは空間ばかりではない。登場人物の記憶想起に重点をおく漱石の後期小説で、手紙は登場人物の現在時に過去を呼び起こし、現在から過去を意味づける手段である。
*** *** *** *** *** *** *** *** ***
今回のワークショップの発表はどれもこれも、ラカンにある程度親しみをもっている方には刺激的だと思います。超絶的な難解さで知られる『エクリ』。その冒頭を飾る「《盗まれた手紙》についてのゼミナール」。おそらく初心の一人が読みこなすことは(誤読することさえも)困難なこのテキストを、ほぼ二年半をかけて読みほぐしてきたそのまとめなので、“噛んでふくめる”ようなわかりやすさを期待できると思います。むしろ、“噛む”場が、このワークショップかもしれません。私の発表は、ちなみに、わりと“素材そのまんま”です。歯と顎に自信のある方のご参加をお待ち申し上げます。]]>
【掲載情報】築地本願寺の安穏朝市で、傘を回しました。
http://warabanshi.exblog.jp/15007544/
2010-08-25T00:42:00+09:00
2015-11-08T20:37:51+09:00
2010-08-25T00:42:45+09:00
warabannshi
その他
避暑地のようにパラソルが立ち並んでいて、そのパラソルの先には「他力本願ライブ」のステージがあり、そのステージに向けての参道のように店舗のレイアウトが組まれており、もし夕刻まで開始時刻を遅らせれば、完全に“盆踊りと縁日”の様相を呈していたはずです。
そんな朝市の様子が、ブログ「安穏朝市かわら版」にアップされています。
http://annon-asaichi.blogspot.com/
いつにもまして(私は二回しか行ったことありませんが)賑やかな市だったように思います。しかし晩夏特有の静けさもあり、その混淆がまた良かったです。夏の静けさは、その暑さによって皆がぐったりすることによってではなく、光の強さとその強い光の続く長さのなかにあります。
それにしても八月の遮るもののない日光のもとで、番傘は無力でした。黒々としたアスファルトからの照り返しが尋常ではなかった。質量を感じるほどでした。足湯コーナーで売られていた温泉水を1.5リットル(¥500)飲んでいるはずなのですが、帰宅後、体重が2キロ減っていました。
一本歯の下駄で皿を回していたときに、福岡からジブリ美術館をメインに東京観光をしにきた親子連れの方に「時代劇ですか?」「修行中ですか?」「すごい汗ですね!」と聞かれた記憶があるものの、どう返答したかまでは記憶になし。ただ眼鏡をかけた小学生の男の子が帰る間際に駆け寄ってきて渡してくれたおひねり(100円)で食べたトマト付きかき氷は、美味しゅうございました。
朝市当日、境内周囲の気温を下げるためにミストを飛ばす大型の扇風機が二台、設置されていましたが、一番涼しげだったのは、境内の隅に生えているケヤキの樹。樹はもちろん日陰をその根元に落としてくれ、心配になるくらいそこは涼しいわけですが、いま風があるかないか、それが強いか弱いかが、目や耳からも感じられるということもあって、多くの人が樹の根元に腰を下ろしてビールを飲んでいました。
そんな感じです。
次回の安穏朝市は9月23日(木・祝)お彼岸の8時~14時です。
秋風の吹く頃だと思います。築地にお立ち寄りの際はぜひお越しください。]]>
【告知】築地本願寺の安穏朝市で、傘を回します。
http://warabanshi.exblog.jp/14979858/
2010-08-20T01:33:00+09:00
2015-11-08T20:38:09+09:00
2010-08-20T01:33:46+09:00
warabannshi
その他
産直の有機野菜や、各地名産品が揃っています。他にも手作りパン、菓子から暮らしの雑貨や書籍まで。
私は前々回、大量のタマネギ、月の満ち欠けのリズムにあわせて栽培・収穫した紅茶葉一箱、有明海の海苔の佃煮瓶二つ(通常版と辛口版)、そしてトマトとオクラの苗を一本ずつ買いました。すべてあわせて二千円いかなかった気がします。良い買い物ができました。
■築地本願寺 安穏朝市 かわら版 → http://annon-asaichi.blogspot.com/
<野菜、果物、穀物、加工品>
●岩手県軽米町(穀物、野菜、山菜)
・・・緑豊かな岩手県北端の地「軽米町」の新鮮な季節の山菜・野菜です
●㈱沖縄物産企業連合(沖縄野菜・かちわり黒糖)
・・・沖縄の食文化を皆さんに味わっていただきたいです
●奥久慈里山物産店(自然農の野菜)
・・・水戸から、土にこだわり自然農で育てた生命力あふれる野菜をお届けします
●おひさまや(野菜、花、かご、郷土食品)
・・・福島県から野菜、無農薬栽培のお花、つるかごなどをお届けします
●表参道市場 伝(郷土食品、無農薬茶)
・・・香川県のおいしいものと静岡県の無農薬茶をお届けします
……他
<手作りパン、菓子>
●すえざわちはる(マーマレード、和風雑貨)
・・・瀬戸内海の有機栽培柑橘で丁寧に手作りしました
●セカンドリーグ社福)市川レンコンの会(クッキー、梨ジャム、パウンドケーキ)
・・・味に納得!ケーキ工房「ロチュス」の私たちが自信をもってお届けします!
●セカンドリーグ 食生活(米粉ベーグル)
・・・国産小麦と米粉を使った数十種類の手作りもちもちベーグルです。
……他
<暮らしの雑貨、本、他>
●おさよし商店(手作り雑貨、手染め手ぬぐい)
・・・今あったらいいなを発案・製作・販売しています
●開拓工房(手作り木工商品、木製品)
・・・建築資材の端材、残材を活用した無垢木材で作られた木工品です。
●セカンドリーグナイガイ・イム(ユニバーサルファッション洋服・雑貨)
・・・「骨ガード」を中心に、活動の根底は「ユニバーサルデザイン」という思想です。
……他
さらに当日は、毎年恒例の“他力本願ライブ2010”との同時開催だそうです。
■他力本願ライブ2010 → http://hongwanji-shutoken.net/tariki/
■他力本願ライブ2010twitter → http://twitter.com/live_tariki
■他力本願ライブ2010参加アーティスト一覧 → http://hongwanji-shutoken.net/tariki/2010/08/post-1.html
築地近辺にお出でのさいは、どうぞお立ち寄りください。]]>
【告知】J. ベアード・キャリコット(環境倫理学)講演のお知らせ
http://warabanshi.exblog.jp/14591333/
2010-06-15T11:56:00+09:00
2015-11-08T20:39:58+09:00
2010-06-15T11:56:32+09:00
warabannshi
その他
日時:2010年6月30日(水)17:00-
場所:東京大学本郷キャンパス法文2号館1番大教室
【講演者】
J. ベアード・キャリコット(J. Baird Callicott)ノース・テキサス大学教授
【入場】
無料
【主催】
東京大学グローバルCOE「死生学の展開と組織化」(http://www.l.u-tokyo.ac.jp/shiseigaku/index.html)
【言語】
英語(質疑応答は通訳あり)
【講演会趣旨】
グローバルCOE「死生学の展開と組織化」は、このたび環境倫理学のパイオニアの一人として知られ。J.ベアード・キャリコット教授(ノース・テキサス大学)をお招きし、以下のように公開講演会を開催します。講演はパワーポイントを用い英語で行いますが、質疑応答は通訳がつきます。
キャリコット教授は環境倫理学を早くから唱道して来られました。1971年にウイスコンシン大学で世界最初の「環境倫理」の講義を行い、1994年から2000年にかけては、国際環境倫理学会の会長を務められました。"In Defence of the Land Ethics"という著書があることからも分かるように、キャリコット教授はアルド・レオポルド(1887-1948)が唱えた「土地倫理」の考え方を
継承し、「自然の権利」の概念やエコセントリズムの思想の発展に力を尽くしてきました。昨年、日本語訳書が刊行された『地球の洞察―多文化時代の環境哲学〈エコロジーの思想〉』(みすず書房、原著、1994年刊)では、アジアの宗教や文化伝統にも多大な関心を寄せて、文化的多様性を踏まえ
た環境倫理学の構築に取り組んでおられます。この度の公開講演では、環境倫理学の鍵概念の一つでもある「生物多様性」について、正面から論じられます。どうぞふるってご参加下さい。
【オーガナイザー】
島薗進(宗教学研究室)
【講演会・ウェブサイト】
こちら(http://www.l.u-tokyo.ac.jp/shiseigaku/ja/yotei/k100630.htm)からどうぞ
地球の洞察――多文化時代の環境哲学 〈エコロジーの思想〉J・ベアード・キャリコット / みすず書房
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【第十回文学フリマ】笑半紙による私家版チェックマップ
http://warabanshi.exblog.jp/14423664/
2010-05-21T09:09:00+09:00
2015-11-08T20:44:17+09:00
2010-05-21T09:09:47+09:00
warabannshi
その他
※敬称略、ブース順。文フリHP掲載自己紹介文+太田の一口メモ
H-17 書肆べう(ショシベウ) ながしろばんり
★小説★ 宮武外骨・実用・エンターテイメント
はじめての方もそうでもない方もこんにちは、書肆べうです。今回のテーマは「狭い出版、そんなに急いでどこ行くの」ということで新製品は究極のアナログ企画「全自動御題発生冊子」他、電子書籍とは別の方向でそれなりに考えたフリーペーパーなど、文フリでも身の置き所に困るものばっかり準備中。へんなブース!
[当「笑半紙」の対面のブース。豊富なラインナップ。手作り感溢れるCD『あひる』('04)¥1,000が良い。]
I-11 西瓜鯨油社(スイカゲイユシャ) 牟礼鯨 中澤いづみ
★小説★ 古典二次創作・衒学幻想譚・空想宗教史
ソポクレスとミラン・クンデラを継承する「エディポ」やジョゼフ・コンラッドなどの二次創作、「副乳のザルバナ」などの一次創作、そして「偽バスタールによる教団史」を収めた『複雑系』。同じ空想惑星を舞台とする『掌編集』や『コルキータ』の主題に違う視座から斬りこむ意欲作。自己陶酔でも言語遊戯でもない文学結社。
[すでに他の方々が言われている通り『複雑系』('10)¥500、『コルキータ』('10)¥500は非常にお勧め。牟礼鯨さんのブースリストも文フリ回遊の参考になることでしょう。]
I-17 笑半紙(わらばんし) 太田和彦
★小説★ 雑誌・地図・夢日記
わら半紙を切りそろえたメモ用紙に書き留められたToDoリストや待ち合わせ場所の地図、しゃべっているときの思いつき、記憶に残った夢の走り書きなどなど。そういう金のニオイのしない物、つまらない物の蒐集を行っています。それらの一部を編集して値段をつけて売り出すという。そんな冒険(暴挙)もしています。
[当ブログのブースです。セット割、キン・ザ・ザ割、夢日記割をすべて行使すると、『笑半紙』('10)『其処意味』('10)の2冊を半額の¥300でお買い求めいただけます。]
O-13 QBOOKS(キューブックス) QBOOKS勇士
★小説★ 詩歌・投稿・音楽
愛と勇気と力とが静かに眠る知のこころ。私はもう、泣くのはやめようと思う。ハイホー。
[「有志」ではなく「勇士」であるところに歴戦を垣間見る。どうやらまだ新刊の印刷は始まっていないらしい。]
Q-02 ヨケマキルギルド(ヨケマキルギルド) ヨケマキル
★詩歌★ 音楽
ヨケマキルの作品全般大売り出し
[ノイズィーな音楽。ロックというよりゴシックな印象を持つ。]
V-11 『.review』(ドットレビュー) 西田亮介、塚越健司、淵田仁、天野彬、小野塚亮
★評論★ メディアの創造・クラウドソーシング・ウェブ&リアル
project「.review」はあらゆる知、まだ出ていない書き手も含めたあらゆる書き手、あらゆるメディア、そしてあらゆる読者をブリッジする新しいメディアをクラウドソーシングによってつくっていこうというtwitter発のプロジェクト。HPから厳選された論文と識者とのコラボを含めた有償版を頒布します
[twitterを介してproject「.review」がみるみるうちに実現・展開していくのをリアルタイムで見ていただけに、どのようなコンテンツが販売されるのかはとても楽しみ。]
V-17 アニメルカ製作委員会(アニメルカセイサクイインカイ)
★評論★ アニメ・雑誌・ネット
反=アニメ批評、EPISODE ZERO アニメ批評系同人誌『アニメルカ』創刊号。web上で活躍されている日本国内外、約15名の方々から寄稿していただいた論考・エッセイを掲載
[畏友・村上裕一が、批評「彼岸への通路 ――『WHITE ALBUM』試論」を載せています。]]]>
【割引情報】第十回文学フリマ / I-17
http://warabanshi.exblog.jp/14404844/
2010-05-18T15:38:00+09:00
2015-11-08T20:44:36+09:00
2010-05-18T15:38:47+09:00
warabannshi
その他
「笑半紙」のブースは【I-17】です。
詳細:第十回文学フリマHP http://bunfree.net/
*** 物 品 リ ス ト ***
■文庫本『笑半紙』太田和彦 76ページ ¥400
カテゴリ「こんな夢を見た」より。収録作品はすべてブログにアップされている記事をもとにしています。
夢日記のテキスト量は、ブログ掲載時のかるく三割り増しになっております。複数のテキストを一つに編集したり、原型をとどめないほど念入りに推敲したので、「これは第○○○夜かな? まあどうでもいいや」と読んでいただければ幸いです。
<夢日記>という人をくった趣向の記録文は、古くは鎌倉時代の明恵上人から、明治以降は夏目漱石、内田百閒、黒澤明、島尾敏雄、細野晴臣、山本直樹という偉大な先達たちによって書き記しるされており、どれもこれも最高に面白いのでお勧めです。彼らの後塵を拝し、「タダで楽しめる、一生退屈しない」夢という体験の報告書に一冊を加えたいと思います。
■B5判「其処に意味をお与えにならなかったので」太田和彦 20ページ ¥200
カテゴリ「犬の生活」より。収録作品はすべてブログにアップされている記事をもとにしています。
ネット上で小説を書き始めてから、2010年で10年目になりまして、そのあいだに随分文体も変わったのですが、ちょうど当ブログをはじめた2005年前後に書いた作品を選び、編集しました。浅葱ヒタキさんによる装丁とデザインで、愛嬌ある仕様になっています。
□CD「福が来る」北南 ¥2,100
日本語ロックバンド、北南の1stアルバム『福が来る』を委託販売します。レーベルは「尻目庵」。ヘンテコな名前のこのレーベルは、全作曲・全作詞を手がけている増田-羽客-敬祐さんが立ち上げたもの。「あらゆることを尻目に自らの道を往く」という含意があるそうです。『福が来る』収録曲の個人的なおすすめは、「夜毎の月」と「芝」。
△ 北南ホームページ hokunan.web.fc2.com/
△ 北南の曲が視聴できます http://www.myspace.com/hokunan
*** 以 上 ***
コミティア92でも行った ★特典1.セット割引 のほかにも、新しく ★特典2.『キン・ザ・ザ』割引、★特典3.「夢日記」割引 を行いたいと思います!
★特典1.セット割引
『笑半紙』と『そこに意味をお与えにならなかったので』を2冊合わせてお求めの方には、セットで500円とさせていただきます。
★特典2.『キン・ザ・ザ』割引
先日、早稲田松竹で現在上映中の『不思議惑星キン・ザ・ザ』(86')を観まてきした。素晴らしすぎる。カルト映画を数多く見てきましたが、批判精神に屈託のない作品は稀で、映画館内が幾度もくすくす笑いに満たされる作品はさらに稀です。『不思議惑星キン・ザ・ザ』はそういう稀な映画です。開始5分で、ロシアのおじさんとグルジアのバイオリン弾きがキン・ザ・ザ惑星に転送されるというすごい展開にも注目。
Kin Dza Dza - Part One
Kin Dza Dza - Part Two
このカルト映画に敬意を表して、『キン・ザ・ザ』のパッツ人の挨拶ができた方には、100円引きとさせていただきます。クー!
★特典3.「夢日記」割引
5/23(日)の朝、見た夢を憶えていた方には100円引きとさせていただきます。(見た夢を携帯電話などの通信可能なガジェットに打ち込み、当日、ブースのポスターに書いてあるメールアドレスに送ってください。)
コミティア92で『笑半紙』、『そこに意味をお与えにならなかったので』を買ってくださった方のなかで、第十回文学フリマにもお越しいただいた方には、 ★特典2.『キン・ザ・ザ』割引 ★特典3.「夢日記」割引 のぶんのキャッシュバックを行いたいと思います。
購入した『笑半紙』、『そこに意味をお与えにならなかったので』を会場までお持ちください。]]>
【追悼】J.D.サリンジャー(Jerome David Salinger, 1919-2010)
http://warabanshi.exblog.jp/13607744/
2010-01-29T23:54:00+09:00
2015-11-08T20:45:37+09:00
2010-01-29T23:54:16+09:00
warabannshi
その他
代表作の「ライ麦畑でつかまえて」は1951年の出版当時旋風を巻き起こした。世界各国で翻訳され、6500万部以上を売り上げた同作品は20世紀を代表する小説にあげられることも多い。
だがサリンジャー氏自身は1953年以降隠遁生活に入り、私生活は謎につつまれていた。ニューハンプシャー州の自宅付近で彼を目撃した人は、身なりを構わない世捨て人という印象だったという。
その後、同氏は初期の作品などをめぐる訴訟に関わることが増えた。昨年はサリンジャー氏の訴えで、スウェーデンの出版社などに「ライ麦畑でつかまえて」の続編出版を禁じる判決が出ている。数少ない発言のなかで、同氏は1974年に「出版しないことに至高の平穏がある」と語っていた。
サリンジャー氏の死去で、同氏の作品は再び注目され、映画化の動きが再浮上するのはほぼ確実だ。だがサリンジャー氏は短編「コネチカットのひょこひょこおじさん」を原作とした映画「愚かなりわが心」(1949年)の失敗で、映画化は避けるようになっていた。
(「ウォールストリート・ジャーナル」2010年1月29日より)
サリンジャーが亡くなりました。彼の訃報を知ったのは新聞でもなくテレビでもなく、twitterで、それがすごく象徴的なことのように思えました。「なんかサリンジャーが亡くなったらしいよ」「哀悼」「サリンジャーって誰?」「レヴィ=ストロースのときと同じでほとんど伝説の人物がまだ存命だったのかというのが正直な印象だ」とか、そうやって訃報が口から口へと伝えられていくことが、なんというか、ふさわしい作家だったのではないかと。
僕の一番好きな本は、せめて、ところどころでこっちを笑わせてくれるような本だ。[……]本当に僕が感動するのはだね、全部読み終わったときに、その作者が親友で、電話をかけたいときにはいつでもかけられたらいいな、とそんな気持ちを起こさせるような本だ。でも、そんな本はめったにないね。
(J.D.サリンジャー 訳:野崎孝, (1951/1984)『ライ麦畑でつかまえて』, 白水社, p.32)
『ライ麦畑でつかまえて』を初めて読んだときはたしか大学受験のときで、そのときはまったく引っかかるものがなく、よって、「英語さえ話せればサリンジャーに電話をかけたい」と思ったこともなく、結局のところ、自分はサリンジャーの熱心なファンではなかったなあ、と思っていたのです。が、仕事から帰って自室の本棚を見たら、『ライ麦畑』にも『ナイン・ストーリーズ』にもびっしりと付箋が貼ってあって驚きました。本が一回り分厚くなるほどに読み込んでいたとは思いもよらなかった。
『ライ麦畑』でよく引用されるのは、弟のキャッチャーミットの裏側に緑色のインクで書かれた詩(cf.『攻殻機動隊』の笑い男事件)と、ホールデン少年が自分のなりたいものを妹に訊かれて答えるシーン(cf.ジョン・レノンを殺害したマーク・チャップマンの、法廷における朗読)だと思うのですが、自分が好きなのは最初のほうの"ホールデン少年が寄宿学校から退学処分を受けて、最後に校舎に一瞥をくれるシーン"で、手元の本には、ことさら力強く線がひっぱってあります。
とにかく、僕は、そのイカレタ大砲のそばに突っ立って、ケツももげそうなくらい寒い中で下の試合を見ていたんだ。といっても、たいして身を入れて見ていたわけじゃない。どうしてそんなとこにぐずぐずしていたかというと、じつは、その、別れの気分というのを味わおうとしていたからなんだ。今までいろんな学校やなんかをやめてきた僕だけれど、みんな自分の知らないうちにやめちまったみたいな感じなんだな。そいつが嫌なんだよ。悲しい別れとか、嫌な別れとか、そんなことはどうでもいいんだ。どこかを去っていくときは、いま自分は去っていくんだということを、はっきり意識して去りたいんだな。そうでないと、なおさら気分がよくないもんだぜ。
(サリンジャー 野坂, (1951/1984), p.10)
これはよくある世代交代なんかではないよ。さようなら、サリンジャー。]]>
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