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【北南】1stアルバム『福が来る』 レビュー

MUSIC MAGAZINE (ミュージックマガジン) 2009年 12月号 [雑誌]

ミュージックマガジン


05年に結成された四人組バンドである北南の『福が来る』(尻目庵 SMAN0001)は、一軒貸家で二年半かけて作った約53分12曲入りCD。70年代の日本のフォーク/ロックを思い出すが、はっぴいえんどのカビ臭い亜流とは一線を画す現在進行形の響きである。ペイヴメント以降のいわゆるインディ・ロックの日本解釈とも言うべきまったりした佇まいなのだ。素朴な実験性に富む音は米国のマタドールやKレコードのアーティスト、英国スコットランドのパステルズ周辺も思い出す。と同時に、繊細な歌声をはじめとして日本の風土ならではの濃厚な侘び寂びも染み込んでいるのだ。セルフ・ライナーや数人のコメントも載った12ページのブックレット付き。
p.179


 ゼミの先輩である増田-羽客-敬祐さんがヴォーカルを務める四人組バンド・北南のレビューが載っていたので転載します。「尻目庵」というヘンテコな名前のレーベルは増田さんが作ったものだそうで(ロゴ・マークも)、「あらゆることを尻目に自らの道を往く」という含意があるそうです。レビューでははっぴいえんどが参照されていますが、私の聴いた感想では80年代初めから中頃のムーン・ライダースに音質の重なり方も近いです。パーカッョンを控え目にした感じ。『福が来る』収録曲の個人的なおすすめは「今日みたいな日」と「芝」。
北南ホームページ hokunan.web.fc2.com/
by warabannshi | 2009-11-30 12:11 | Comments(3)
【見田宗介 講演】「現代社会の矛盾と動線」
日時:
 2009年11月28日 (土) 14:30~17:15 (開始/終了時刻は予定です。)
場所:
 東京農工大学農学部 本館2階21番講義室 (会場が変更となりましたのでご注意ください。)
 住所 〒183-8509 東京都府中市幸町3-5-8
 アクセス http://www.tuat.ac.jp/access/tra1.html
 校内地図 http://www.tuat.ac.jp/access/tra4.html
内容:
 [講演]
 「現代社会の矛盾と動線」 見田 宗介氏 (東京大学名誉教授)
 現代社会の環境問題、公害問題等の矛盾と問題点に言及し、『現代社会の理論』(岩波新書)で言及されている〈情報化・消費化社会〉の矛盾と肯定的な面について整理し、これからの社会は、環境に配慮する仕方でどのような方向性をとりうるか、将来像についてご講演いただきます。

by warabannshi | 2009-11-26 23:15 | Comments(0)
-第318夜「改築」
 奥多摩線を乗り継ぐと、改築中の駅に着く。祖母Rはその隣りの駅に行きたかったようなのだが、私も知らず知らずのうちに、ブルーシートがそこここに被せられたこの無人駅に降りてしまった。
 二人して途方に暮れているわけにもいかないので、コンクリートが乾きたての階段を降りる。川沿いに砂利道がまっすぐに続いている。晩秋の風がなにか香ばしい匂いを運んでくるが、周りにはススキ野原のほかに何もない。
「この駅に見覚えはない? むかし……」
 祖母の声はよく聞き取れない。が、ブルーシートがかさぶたのように貼り付いたこの駅舎が木造だったときのことを私はたしかに知っている。湯垢のようなぬるぬるが雨降りの日に階段の手すりからわきだしてくるのが嫌だった。
 駅舎の前には墓場があって、「芝増上寺」の観光地的なすばらしさを告げる大きな看板が立っていた。墓場の隅では屋台ほどに簡単な店が五軒ほど軒を連ね、赤黒い果実酒(5リットルで1000円)や、サラダ菜、金魚、輸入されたチューリップの球根などを並べていた。その店々のなかを祖父Cに手を引かれて、昔の私は千円札を払うとなぜか戻ってくる硬貨の意味を、つまりお釣の概念を勉強したのだった。
by warabannshi | 2009-11-23 09:51 | 夢日記 | Comments(0)
-第317夜「全自動マリオ」
 勤務先の中学校のPC教室で、知らない人から「全自動マリオ」の作り方を習っている。
「マリオがステージに歩いてくるときの初速度を、いかに殺さないようにするかが難しいんだよ。あとは少しずつ少しずつ完成させていくこと。理論的に考えて、ゴールにたどり着けないはずはないんだから」
 他にもいろいろ有益なアドバイスをもらい、それらを一束のレポートにまとめる。それをロッカーに入れようとすると、空のはずのロッカーのなかには一年前に賞味期限が切れたヤクルトが五本、バカにしたように並んでいる。
by warabannshi | 2009-11-22 13:50 | 夢日記 | Comments(0)
一〇九〇〔何をやっても間に合はない〕

宮沢賢治全集〈2〉 (ちくま文庫)

宮沢 賢治 / 筑摩書房


一〇九〇〔何をやっても間に合はない〕
一九二七、八、二〇、

何をやっても間に合はない
そのありふれた仲間のひとり
雑誌を読んで兎を飼って
巣箱もみんな自分でこさえ
犬小屋ののきに二十ちかくもならべれば
その眼がみんなうるんで赤く
こっちの手からさゝげも喰へば
めじろみたいに啼きもする
さうしてそれも間に合はない
何をやっても間に合はない
その     仲間のひとり
カタログを見てしるしをつけて
グラヂオラスを郵便でとり
めうがばたけと椿のまへに
名札をつけて植え込めば
大きな花がぎらぎら咲いて
年寄りたちは勿体ながり
通りかゝりのみんなもほめる
さうしてそれも間に合はない
何をやっても間に合はない
その     仲間のひとり
マッシュルームの胞子を買って
納屋をすっかり片付けて
小麦の藁で堆肥もつくり
寒暖計もぶらさげて
毎日水をそゝいでゐれば
まもなく白いシャムピニオンは
次から次と顔を出す
さうしてそれも間に合はない
何をやっても間に合はない
その     仲間のひとり
べっかうゴムの長靴もはき
オリーヴいろの縮みのシャツも買って着る
頬もあかるく髪もちゞれてうつくしく
そのかはりには
何をやっても間に合はない
何をやっても間に合はない
その     仲間のひとり
その     仲間のひとり

by warabannshi | 2009-11-21 23:54 | Comments(0)
metamorphose- あるいは、 囈語?
 全体のイメージがどこからかやってくる。両耳からすうすう入ってくる、電信柱に着いた街灯の白色光は、呼吸によって鼻腔の奥で外気と混じりあい、喉元にはりつく。ある瞬間に気がつくと、それはすでにそこにある。薄べったいシール。「一分の一地図」。
   (人工の虹よりも仄かに甘く)
 「一分の一地図」さえ手元にあれば、それをさまざまな角度からしらべ、必要なさまざまなディティールを発見する作業を、ゆっくり進行するプロセスに託してもかまわない。
   (目尻と耳の穴の間の骨が溶けて眼球が流れ落ちそうだ)
 白昼夢を記述するに当たっては、はじめに瞬間として顕れた「一分の一地図」のイメージ、それを越えることが必要である。それぞれのディティールは、相対的に独立した運動を持つことによって、「一分の一地図」の記述にディテールの集合から独立した次元を獲得することを可能にさせる。そのことなしに、白昼夢は、信仰に値しない。その直中だけで充分なものになってしまう。

下書き稿
by warabannshi | 2009-11-21 08:33 | Comments(0)
-第316夜「鉄人ビール」
 非常に濃厚な味を知らない者はいない「鉄人ビール」の飲み方は以下の通りである。
●ビールを注ぐための大きめのグラスを用意する。瓶から直飲みするときはこの限りではないが、蛮人呼ばわりされることもあり風味も落ちるので、野外や砂漠であってもグラスに注ぐことが推奨されている。
●ビールを注ぐ。氷の上から鉄人ビールを注ぐと、ホイップクリームほどの固さの泡が沸きおこる。それを笑うことも作法にかなっている。
●ビールを飲む。九月でも裸で脱力できるほど体が温かくなる。働きすぎの傾向にある人、条件文や背理法などの穿った話し方をする人はとりわけ鉄人ビールに熱を感じる。数人で飲むことによりこの多幸感は増す。

あるAV監督、「男優や女優の持ってきた下着のどっちが良いかについて指示するときとかによく飲むね」。
あるエッセイスト、「体調が悪いときは鉄人ビールが食事代わりです」。
by warabannshi | 2009-11-19 07:34 | 夢日記 | Comments(0)
-第315夜「名曲喫茶」
 駅のなかの、まだ入ったことのない名曲喫茶。曇りガラスのドアの前で入ろうかどうしようか迷っていると、中から空気人形のようなウェイトレスが出てきて、「太田さま、いまお席は空いておりますが」と告げる。なぜ彼女に私の名前がわかったのか訝しく思ったが、提げているボストンバッグに小さな名札がついていたのだ。
 店内に入ると、じつは満席で、ぜんぜんお席なんて空いていない。名曲喫茶なのだからクラシックが流れているかと思いきや、曲名どころかジャンルさえわからない不思議な声楽が流れている。文句をつけようにもウェイトレスはもういず、仕方なくカウンターの向いの壁面を眺めると、首の付け根が痛くなるほどずらりとCDが並べられている。
「懐かしいでしょう。図書館とか荻窪のBOOKOFFのCD棚は初めて見たときそんな感じだったよね」
 ドレッドヘアの店主が言う。随分馴々しいなと思うが、よく見ると小学校のときの友人Mである。
「こんなことやっていたんだ。いつから?」
「高校を出てからすぐ。駅で歩いている和君を何度か見たよ」
「声をかけてくれればよかったのに」
「いや、すごい速足で歩いているから」
 どんな速足であるいていても、呼び止められれば立ち止まる。いつの間にか他のお客は誰もいなくなっていて、店内にはMと私だけである。
「そこの裏戸を開けると大宮小学校につながってるんだよ」
「あれ、そんな地理なんだ?」
 私はMが視線で示す木製の分厚いドアをあける。
 すると、そこはどこだかは知らない小学校の校庭である。おいおい、違うじゃん、と言おうとしてふり向くと、背後にもただっ広い校庭と、屋外プールがあるだけで喫茶店はない。屋外プールの方からサッカーウェアを着た小学生と思しき男の子たちが7人駆けてくる。
「待たせてごめん!」男の子の一人が私に言う。「ゼッケンを探したんだ。けれど、なかったんだよ」
「だから、チーム分けなんてしないで、1on1を8回やればいいだろ」
 そう言った男の子はまだドレッドヘアにしていない小学生の友人Mである。
by warabannshi | 2009-11-18 08:48 | 夢日記 | Comments(0)
【年末年始のご挨拶をご遠慮申しあげます】
  祖父が今年の四月に他界したため、
  ここに本年中のご芳情を厚く御礼申しあげます。
  明年も一層のご交誼のほどお願い申しあげます。
by warabannshi | 2009-11-17 11:01 | Comments(0)
-第314夜「布屋敷の舞台」
 布屋敷にある舞台に迷い込んでしまっている。舞台はいままさに上演の準備のまっさいちゅうで、スモークが焚かれたり、ケミカルな白砂がそこここに盛られている。私ときたら役者でもないのにこの舞台の上をうろついているので、このまま緞帳が上がりでもしたら大変なことになる。早く舞台上から去らなければと思い、客席と思しき方向へ走る。しかし、どれほど走っても舞台と客席の境界は現れない。座布団が一列に並べられていてもそれは舞台装置で、照明のスタンドがつくねんと立っていてもそれは小道具だったりする。
 とうとう息もあがって柱に手をつくと、その柱には折り畳み扉があって、開けてみると柱は自室のクローゼットである。どっと笑い声に包まれる。
by warabannshi | 2009-11-16 08:14 | 夢日記 | Comments(0)



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