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【引用英訳】佐藤仁(2011)『「持たざる国」の資源論 持続可能な国土をめぐるもう一つの知』東京大学出版
国際環境倫理学会での発表を経て、日本型環境倫理とは「持たざる国」の環境倫理なのではないかと思えてきた。また、先の震災は、日本の〈資源〉が何であるかを改めて考えさせる機会となった。
Since the announcement of the ISEE2015, I have begun to think that Japanese environmental ethics are environmental ethics of a "have-not” nation. In addition, the earthquake of 2011 was an opportunity to re-consider what the resources of Japan actually are.

「〈持たざる国〉を標榜してきた日本では、狭い国土と過密人口ゆえに、資源のあり方を問い直す長い伝統がありました。戦後の貧しい時代に、それは〈資源論〉として豊かに花開きました。しかし、その後の高度経済成長を経て豊かになった日本では、公害や環境問題という視角が盛んになった陰で、もっと根本的な次元における人間と自然の関係を問う〈資源論〉は忘れ去られました。資源は人間の経済と自然との相互作用を考える要となる概念です。決して実現しなかった〈不発のアイデア〉としての資源論とは何だったのか。」
In Japan, a self-professed "have-not” nation, due to the small territory and high density of population, has long existed a tradition of re-evaluating natural resources. In the poor era after the war it blossomed as “resources theory “. After however Japan became rich through subsequent rapid economic growth, it was forgotten to view in more fundamental dimensions the relation of humankind and nature, because questions of pollution and environmental problems has come to overshadow other things. Resource is a key concept in considering the interaction between nature and human economy. What was the resource theory as a “never realized idea”?

「日本の資源論に興味をもった理由は三つある。第一に、資源論が輸入学問ではなく、国土の保全と社会経済ニーズとの調和をいかに達成するかという、内発的な問題意識からたたき上げられてきた実践志向の知であること。第二に、地理学者を中心にしながらも、政治家や官僚を含めて多様な分野と立場の人々を巻き込みながら形成されてきた学際領域のはしりであったこと。第三に、それにもかかわらず資源論は決して専門分野として確立されずに忘れ去られてしまったことである」(佐藤,v頁)
Why have I been interested in Japan’s resources theory there are three reasons for this. One: the resource theory is no academic import but practical knowledge routed in the intrinsic awareness of the unsolved question how to achieve harmony between conservation of land and socio-economic needs. Two: that theory constitute pioneering effort that while having geologist at its core involved also people from many deferent other fields such as politics and administration. Three, in spite of this resources theory has never been established as a field of expertise but instead become forgotten.


「資源の定義が一義的に決まらないのは、目的と手段の関係がはっきりと固定されていないからである。同時に、資源は物質面を扱う自然科学と、制度面を見る社会科学の両方にまたがるので、その適正な管理には両者の総合が不可欠になる。私は資源を、働きかけの対象となる可能性の束として捉えたい。〔…〕資源は人間社会からの働きかけを受けて初めて有効性を発揮する。しかし働きかけの対象が自然物である以上、可能性とは自然界の制約のなかで追及しなくてはいけない。」(16-17頁)
That what constitute resources is not unequivocally defined, is the result of the fact that the relationship between ends and means is not clearly fixed. Simultaneously, resources present an issue spanning both natural sciences that deal with material aspects and social sciences that deal with institutional aspects thus requiring a synthesis of both for proper management. I am going to define resources as a bundle of potential, subject to approach. […] Resources exhibit effectiveness only when receiving approach from human society. As the object of approach, however, is a natural object the choices of its use a subject to natural restrictions.

資源を“所有”ではなく“使用”において考える視点がここでのポイントといえる。
The point here is a perspective to think of resources in terms of “use” rather than “ownership”.
「林業や漁業といったセクターに視野を限ってしまうことの問題は何か。それはセクターの外に及んでしまう影響を考慮しなくなることで、生態系全体を見るバランスを欠いてしまうことである。」
What is the problem with focusing only on sectors such as forestry and fishery? That is losing out of sight the effect resulting outside these sectors and the question ecological balance.

「開発計画に携わる社会科学者や実務家は、開発の物質的基盤である自然環境の性質に十分な注意を払ってこなかったし、逆に、環境問題に向かう自然科学者は、人間の経済活動を専ら否定的に捉え、地域の人々への配慮に欠く環境保護政策を唱えることが多かった。しかし、実は両者は密接に関係している。どこで、どのくらいの量の資源が、どのような方法で、どのような速度で取り出されるかによって、最終的な便益の配分が変わってくるからである」(2頁)
Social scientists and practitioners involved in development plans have not paid enough attention to the natural environment that is the material basis for development. On the other hand, natural scientists trying to solve environmental problems have viewed economic activities exclusively in negative terms, often advocating environmental protection policies which completely lacking in consideration of local people’s concerns and needs. However, in fact social and natural science are closely related. It is because the distribution of the final benefits varies according to where, in what amount, how and at what speed natural resources are taken.

by warabannshi | 2016-03-30 09:04 | メモ | Comments(0)
第709夜「ルービックキューブ」
 人体をルービックキューブのように折り畳むことができるようになったため、多くの人が競って自らの体を加工する。一辺が20センチに満たない立方体になりさえすれば、冷凍睡眠の要領で数年~数十年の暦をまたぐことが可能となるからである。しかし、みずからを梱包から解くには、自分以外の誰かに、すべての面を合わせてもらわなくてはならない。この圧倒的受動を秘匿して、金満家を10×10のルービックキューブに加工し、然る後に別途、“解除料”を請求する詐欺まがいのケースが問題となっている。
by warabannshi | 2016-03-26 07:14 | 夢日記 | Comments(0)



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