雑誌『アフタヌーン』に掲載されているような、細いペンで描き込みがなされている偽英国風の世界を舞台にした漫画。大きめの一コマ一コマがイラストのような。
まったく途中から、数ページを読む。
登場人物は、遺産相続に巻きこまれているらしい、十歳くらいの兄妹。
兄は頭が足りなくて、美形。自分のことを“時計”だと思い込んでいるため、しゃべらない。ハロウィンの仮装に使うような布のかぶりものを被るのが好き。
妹は勝ち気な性格で、体中に剛毛の生えた狼女。口吻もあるが、人語をしゃべる。
二人をバックアップするのは三十歳前後の乳母。
【途中の1ページ目】
屋敷の一室に閉じこめられている、三人。
妹は大声をあげて扉を蹴りまくっている。もちろん扉はびくともしない。
スカートのなかが見えるサービスカット。
乳母:「じつはわたくしも“時計”なのです」
兄:「……?」
【途中の2ページ目】
乳母:「ですから、わたくしの言葉を、すべてお預けいたします。」
そう言いながら、乳母は、暗室のなかを手探りしながら、秘密の脱出路の出入り口をあける。
兄:「……」
乳母:「彼らをごまかすために、***(兄の名前)様は、これからはわたくしの言葉でお話しください」
【途中の3ページ目】
妹が扉から駆け戻ってきて、
妹:「ねえ、逃げるの? 逃げるの? シーニュ(乳母の名前)は?」
乳母、ハロウィンの仮装に使うような布のかぶりものを被り、ベッドに入る。
乳母:「わたくしは後々からまいります。***様、どうぞお先に」
兄:「……さあ行きましょう」
【途中の4ページ目】
兄妹のいなくなった暗室、そのベッドで、遺産相続権のある兄のふりをしている乳母。
小窓から、見回りが部屋のなかをうかがうが、うまくだませる。
続きは不明。題名も不明。