絵に描いたようなボヘミアン、貧乏芸術家が、訥々と話す。
「2023年頃まで、美と洗練は、上流階層へと集中するだろう。そして、ヒエラルキーはますます拡大・固定化していく。この傾向はいままでも常に文化の底流にあったが、よりいっそうあからさまになる。ゴヤにとってのアルバ公爵夫人のようなパトロンを見つけられた者には光栄が、そうでない者には歯噛みするための奥歯が与えられる。
とはいえ、私たちが焦点を当てるべきは、“この時代”ではない。社会階層があからさまに己を見せびらかすときは、それが末期を迎えつつある証左であることを忘れてはならない。私たちは、2023年“以降”を目指す。そのときにカオスと接するだけの体力を蓄えておくこと」