分厚い1切れのハムを、5人で公平に切り分けることが求められている。「真ん中に長方形が残るように、4方向から切れ目を入れていけばよいようにまっさきにイメージされるが、脂身が偏っていたり、結局のところ、直方体のブロックが1つを残してあとはくず肉になりそうで、そんな理想通りにいかないのは分かっている」。そう、屈強な4人の男たちのひとりが言う。私はなぜか女性になっており、そのためなのか、すぐにこの謎々の答えがわかる。「構わずハムを4等分に。そして、4人はそれぞれの肉を。私はすべての肉の断面をいただこう」。それは結局のところ、すべての肉をお前が掻っ攫うということなのではないか。4人の男たちは闖入者をこき下ろす。「私は肉を食べることはできない。私の取り分は断面であって、肉そのものではないから。同時にあなたたちも肉を食べることができない。すべての肉の断面は私の取り分であるから」。寓話めいたこの解決策は、しかし4人の男の食欲の前では現実的ではなく、棄却される。