閉園した遊園地の空の開けた階段状の広場で1人でジャグリングの練習をしている。IKEAの白いマグカップを10個ほど空中に投げては両手ですべて回収するという芸で、たいていすべては回収できず、破片が散らばることとなる。街灯の影がちらちらしていているせいで成功率が上がらない。マグカップを放っては受け止める、放っては受け止める、を繰り返しながら、影にならないところを探して歩いて場所を移動すると、《月光とピエロ》 「Ⅳ.ピエロの嘆き」が流れてくる(月はみそらに 身はここに)。ここが良いだろうという角度を探しあてて、ふと、周りを見渡すと、数百万個の親指の先ほどの小さなマグカップが桜の花のように散らばっている(身過ぎ世過ぎの 泣き笑い)。
※その頃のピエレット:贔屓のバンドの十八番を耳コピした楽譜を脇に抱えて、ライブハウスで頭を振る。彼女自身の誕生日を昇華する場所を選べばこのようになる。