(*1)
三人のプエルトリコ人の悪友に連れられて、一本道の半地下の貯蔵庫へ行く。 三人はどうあってもうちを罠にはめようとしているのだが、はめられる理由がわからない。 というか、悪友たちは三人とも顔見知りでないのだが、それでも悪友なのだ。 貯蔵庫は妙に洋風で、通路はウィザードリィっぽい。中に入る。 「入れよ」 「ちゃんと奥までいけよ」 悪友たちは貯蔵庫の出入り口で、口々にそう言う。 貯蔵庫の通路は手探りで歩かなければならないほど暗くはなく、何か起こっても逃げ帰ればいい、と思い、すたすた歩く。(貯蔵庫の明かりは蝋燭によるものだったか、電灯によるものだったか、菌類の発光によるものか、そのどれでもないかはわからない。) 途中で幾つか、椅子が一つ以上ある小部屋がある。 そこには、一部屋に一つずつ、前に見た夢が蓄えられている。 <*1 石造りの小部屋。なんとなく東方見聞録の二人用個室っぽい> 銃も売っている革中心の雑貨屋の、ゲイの店長を殴殺したので、高校時代のサッカー友達から追われている。 店長にレイプされそうになったという事情を話せば、彼らも殴殺を納得してくれるだろう。 でも、トイレの個室に入って、網戸を外して逃げようとしているのは、念のため。 <*2 船室のような小部屋。ワンピース?> 高さが三メートルくらいある重厚な木製の扉を開けると彼女が泣いている。 ものすごく気取った仕草で彼女をなぐさめていると、不意に、自分がねじ巻き式の人形だったことに気がつく。 相変わらず、すごく気取った仕草で夕食の席(西欧風の、やたらと縦長のテーブル)へと招くと、四十過ぎの博士と、博士よりやや年下の伊達男がいる。 彼女を席につかせたあとで、自分も席につく。人形であるにもかかわらず、食べる気満々。 もっと幾つも小部屋があり、そこには一つずつ夢が蓄えられていた。 部屋の傍を通過するだけで、部屋からあふれ出た巨大なしゃぼん玉のなかを貫通するように、どういう夢がその部屋に蓄えられているのかがわかる。 そして、老人がいる部屋があったので、ちょうどいいと思って休憩することにする。 「レコードがあるんだが、歌を歌ってくれないかね?」 テーブルクロスがひかれたテーブルについている老人が言う。 「もちろん、キミが歌を歌えるまで、キミはこの部屋からは出て行くことができないんだが」 老人の背後にあるレコードを見ると、フランス語版の『白鳥の湖』のオペラだ。 『白鳥の湖』のオペラ? けれど、聴いてみると、たしかに聞き覚えがある。 「歌うのは最初の二曲だけでいいよ。ただし、練習は一回のみだ。」 フランス語の発音はめちゃくちゃだろうが、まあハミングとかでなんとかなるだろう。 二曲目は幸いにも日本語で「……中略……」とか歌詞のあいだに書いてある。 曲調はわかった。さあ歌おう。 「俺は腕相撲にしようかなあ」 ふり返ると、中年のサラリーマンが四人、別のテーブルについている。 「それがいいよ」 「じゃあ、私たちは先に行っているから」 上司らしい三人が、一人を残してすたすたと部屋から出て行く。 そういうシステムだったのか。 (*2) 中国の大学の、共通試験を受けている。 二限目は自慰。十分間で射精できれば通過らしい。 スパルタ式も行き着くところまで行ったな、という感じ。 場所はある程度選んで良いらしいので、試験会場から近い、西荻窪へ行くバス停にする。 「それでは始めてください。」 どこからともなく、試験監督の声。 自慰を始める。 「最初の一分で、だいたい十人が通過するんだよ。そして、だいたい三人が死ぬ。」 不正を防ぐための個人付きの試験官が、話しかけてくる。 緊張のせいでそんなに少ないのだろうか? 何万人という受験者がいるだろうに。 死ぬのは、十人の通過者のうちの三人なのだろうか? だとしたら悲劇だ。 「一分、経過です。」 いま、数人が通過して、そして少なからず死者が出たのだろう。 快感はあるが、とても射精という気分ではない。 軍事飛行船を経由して伯父から電話が入ったらしいので、ちょっと電話に出る。 そのあとで、また試験を続けようとするが、もうとっくに十分は経過してしまったようだ。 こういう試験の対策のためにも、バタイユは読んでおかなければ、と思う。 (19:20~22:22)
by warabannshi
| 2008-02-08 11:13
| 夢日記
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