最初の話。
すごい太ったおばさんとすごい太ったおじさんのコンビ。
おばさんは激怒していて、おじさんを蹴り殺さんばかりに蹴っているのだが、おじさんは「湿布薬はどこかね?」とまったく意に返さない。
おばさんの方が湿布薬が必要なくらいに足を痛めてしまうという。
ミヒャエル・ゾーヴァが挿絵を描いていそうな話。
次の話。
俳優くずれの女性、そしてもとから娼婦だった二人。三人でチームを組んでいる。
俳優をやっていた女性は、サービス加減がわからなくてよく怒られる。おそらく、無駄に演技的になってしまうからだ。
ある日、俳優下っ端の男の子がその元俳優の女性のところにお客に来る。やっぱり無駄なサービスをしすぎて、男の子は怒ってどこかに行ってしまう。
シーンのところどころに渥美清が出没する。
なんだかんだで、男の子が元俳優の人のところにもどって来る。仲直りしている。
「なんだ、こんなことまで教えて上げなければならなかったのね!」何かに気がつく元俳優。
そして、元俳優は自分の吐瀉物を、男の子にキスで分け与える。
また怒って出て行ってしまう、俳優下っ端の男の子。
「そリャー、怒るわな」と渥美清は嘆じる。
――それがじつは『課長島耕作』の第一話。
最後の話。
混血の娼婦の話。クォーターで、頭がサイババみたいな人。つまりアフロ。
浮いたり、水の上を歩いたり、いろいろしたりする大冒険。
大冒険のくせに、場所はずっと境内。
「秋の峰入り」で入った羽黒山の修行所。