1976年のアメリカで撮られた映画。もちろんアメリカが舞台。
豊島園プールのような幾つものプールが集合しているプール。まっ黒な水が張られているプールから、どんどんゾンビが湧きだしてくる。
主人公たちは『ウエストサイド物語』のような、ライバル関係にある二つの不良グループ。
ひょんなことからそのゾンビの大量発生を目撃して、追われることになる。
主人公たちはバイクに乗っているなのでなんとかゾンビから逃げることができたが、ゾンビはどんどん増えていく。
不良グループを追いかけている中年警部は、その不良達がゾンビの大量発生の原因であると考える。彼らの一人から事情聴取をしているときに、彼らバイクから落としていった蛍光塗料が見つかるので、それを伝って彼らを追いかける。
一方で、ゾンビはだんだん知恵をつけてきて、最初の目撃者である不良グループを皆殺しにしようとする。
不良達はある洋館に立てこもる。
じつにバイオハザード的な発想のように思われる。
(追記)
ゾンビたちが動くには黒い時間と白い時間が必要。
黒い時間とは、墨汁プールに耽溺していたゾンビそのものだが、白い時間とは何か?
(追記)
『ゾンビ』は1978年9月公開(イタリアで)。
『ウエストサイド物語』は1961年12月13日公開。
1976年にアメリカで公開された映画として有名なのは『ロッキー』ぐらいか? それでも、製作されたのが1976年だとは限らない。
(追記)
それにしても、豊島園、まっ黒な墨汁のようなプール、蘇る死骸、『ウエストサイド物語』など、いままでの夢に頻出するイメージがよくB級映画として組み合わさったものだ。B級のほうが神話的発想がプリミティブに使えるぶんだけ雑多な象徴がよく"載る"のだろうか。
(追記)
1976年に製作されたもの。
大島弓子の漫画のなかでとりわけ気に入っている「まだ宵のくち」が1976年JOTOMO7月号に掲載だった。サイモンとガーファンクルの「スカボローフェア」が印象的に引用されるこの作品はアメリカとほとんどなんの関係もない。あるとすれば、ベトナム戦争が終結したこの年、「スカボローフェア」において詠唱されていた言葉は三十年数後もいまだにチベット自治区や四川省に途絶える気配を見せないということだ。