THIS CITY
IN PLAGUE TIME
KNEW OUR BRIEF ETERNITY
OUR BRIEF ETERNITY
OUR LOVE
OUR LOVE KNEW
THE BLANK WALLS AT STREET
LEVEL
OUR LOVE KNEW
THE FREQUENCY OF SILENCE
OUR LOVE KNEW
THE FLAT FIELD
WE BECAME FIELD OPERATORS
WE SOUGHT TO DECODE THE
LATTICES
TO PHASE-SHIFT TO NEW
ALIGNMENTS
TO PATROL THE DEEP FAULTS
TO MAP THE FLOW
LOOK AT THE LEAVES
HOW THEY CIRCLE
IN THE DRY FOUNTAIN
HOW WE SURVIVE
IN THE FLAT FIELD
THE BELOVED(VOICES FOR THREE HEADS
BY WILLIAM GIBSON
リバーズ・エッジ (Wonderland comics)
岡崎 京子 / (2000) / 宝島社
ISBN : 4796616691
廃墟としての九〇年代日本の「都会」を描いた、モノリス的作品。その終盤に挿入されるサイバーパンクの詩が、この「愛する人(みっつの頭のための声)」。
この街は悪疫のときにあって
僕らの短い永遠を知っていた
僕らの短い永遠
僕らの愛
僕らの愛は知っていた
街場レヴェルののっぺりした壁を
僕らの愛は知っていた
沈黙の周波数を
僕らの愛は知っていた
平坦な戦場を
僕らは現場担当者になった
格子を解読しようとした
相転移して新たな
配置になるために
深い亀裂をパトロールするために
流れをマップするために
落ち葉を見るがいい
涸れた噴水を
めぐること
平坦な戦場で
僕らが生き延びることを
愛する人(みっつの頭のための声)
ウィリアム・ギブスン 黒丸尚 訳
***
災厄のただなかにあるその街は
ぼくらのはかない永遠を知っていた
ぼくらのはかない永遠
ぼくらの愛
均一な道の窓のない壁を
ぼくらの愛は知っていた
沈黙の頻度を
ぼくらの愛は知っていた
まったいらな場所を
ぼくらの愛は知っていた
ぼくらは演算子の場になった
ぼくらは格子を解読しようとした
新しい配列のために
相転移するために
深い欠陥-罪を巡視するために
流れを調査するために
葉々を見るんだ
それらはどうやって枯れた水源のなかで
旋回しているだろうか
ぼくらはどうやってまったいらな場所で
生き延びるのだろうか
最愛の人(三つの頭のための声) 太田和彦 訳